三重県志摩市大王町の大王崎灯台沖の海上で10年12月、男性の遺体が漂流しているのが見つかり、県警鳥羽署は28日、男性は東京都練馬区の映画監督、池田敏春さん(59)と判明したと発表した。同署は事故と自殺の両面から調べている。
池田さんは10年6月18日、インターネットの簡易ブログ「ツイッター」で「伊勢志摩の夕日の中で死にたい」と記していた。
夫を殺された主人公の復讐(ふくしゅう)劇を描いた「人魚伝説」(84年)は志摩市大王町波切で撮影、第6回ヨコハマ映画祭で監督賞を受賞した。
同署によると、遺体は昨年12月26日、大王崎灯台沖約80メートルで発見され、近くの女性が110番通報した。服を着ておらず、運動靴を履いていたという。司法解剖の結果、同25日夜に死亡したとみられ、死因は骨盤骨折による出血死だった。
池田さんは山形市出身。早稲田大卒後、74年に日活撮影所に入社。80年に「スケバンマフィア・肉刑(リンチ)」でデビュー。最後の作品は、中学教諭の夫婦愛を主題にした「秋深き」(08年)だった。【大野友嘉子】
毎日新聞 2011年1月29日 2時34分