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こうのとり:ISSへの結合完了…乗組員が入室

ハッチを開けてこうのとり2号(中央奥)に入るISS乗組員=JAXA提供
ハッチを開けてこうのとり2号(中央奥)に入るISS乗組員=JAXA提供

 国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ日本の無人補給機HTV(愛称・こうのとり)2号は28日早朝、ISSとの結合を完了した。スコット・ケリー船長(米国)らISS乗組員は予定を約16時間早め同午前5時47分、こうのとり2号に入室した。米スペースシャトルの年内退役でISSでの活動を維持するにはHTVが欠かせない存在となる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「(日本が果たす)国際的評価は高まった」と語った。

 こうのとり2号はISSに10メートルまで接近した後、ロボットアームで引き寄せられ、27日午後11時51分、ISS第2結合部に接続。電気や通信回線をつなぎ、28日午前3時34分に結合を完了した。

 作業は予定より順調に進んだため、乗組員は睡眠による作業中断を見送り、入室した。31日に予定されている実験機器や種子島の水道水など物資5.3トンの搬出も早まる可能性がある。3月28日にISSから切り離され、翌29日に大気圏に突入し燃え尽きる。

 日本の宇宙船のドッキングは09年9月のHTV1号に続いて2回目。15年までにあと5機打ち上げられる。

 ◇「宇宙船ラッシュ」…米露欧の補給機続く

 ISSは、こうのとり2号を含め、米露欧日の計6機が訪れる異例の「宇宙船ラッシュ」を迎える。米スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げ延期が原因だ。

 ISSでは24日、ロシアの無人補給機「プログレス」が離脱した。こうのとり2号の到着に続き、30日には別のプログレスが到着する。さらに係留中の別のプログレスが2月19日に離脱する。同23日には欧州の無人補給機「ATV」が到着、翌24日にディスカバリー打ち上げと続き、2月下旬にはISSに初めて最大4機が同時係留される。

 この間、こうのとり2号は、ディスカバリーの荷降ろしを妨げないよう、同18日にロボットアームで一時移設される。管制責任者の田辺宏太さんは「初めての経験で、各国と連携し慎重に進めたい」と語る。【山田大輔】

毎日新聞 2011年1月28日 10時31分(最終更新 1月28日 12時47分)

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