悠木 | ヴィクトリカはすごく頭が良くて、「上から目線」の貴族口調で偉そうにしゃべるんですが、それだけのものを持っているので、誰も何も言えないんですよね(笑)。一弥としかしゃべらなくて、みんなに壁を作っているんですが、「その中にあるものはやわらかくて、愛情を求めている」とアフレコ前に音響監督さんに言われて、それを実感するために原作を読んでみました。そうしたら、寂しがりやなところがかわいくて! すごく分かりづらいツンデレ、って感じなんですよね(笑)。 |
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江口 | 一弥は日本からこの物語の舞台であるヨーロッパの小国・ソヴュール王国にやってきた留学生で、質実剛健な父親を持つ、軍人一家の三男として生まれました。真面目な性格で、留学生に選ばれるくらいだから頭が良いんですけど、もっと頭の良いヴィクトリカからは凡人だと思われています。それに対して憤りを感じつつ、やっぱり何も言い返せないんですよね(笑)。ただ、それでも仲良くやっていく2人が、見ていてほのぼのできます。 |
鹿野 | セシル先生は、ヴィクトリカと一弥の学校の担任です。なかなか友達のできない一弥くんのことを心配していて、何かあると声をかけたりするところがやさしいけど、でもおっちょこちょいで、ちょっとしたたかな部分もあります。登場するだけで、周りがパッと明るくなるような、かわいい先生ですね。 |
木内 | グレヴィールは、変わった髪型が特徴で、「貴族にしては腕のいい警部」だと思われているんですが、実はヴィクトリカの力を借りないと何もできない、仕様のない人です(笑)。ヴィクトリカの前ではオーバーアクションだったり、たどたどしかったりして、コミカルかと思えば2枚目なところもある、言わば「2.5枚目」なキャラクターで、楽しく演じさせてもらってます。 |
悠木 | 髪型さえ違えばけっこうカッコいいキャラなんですけどね(笑)。 |
悠木 | あくまで原作に沿ってキャラ作りをしているんですが、ヴィクトリカは頭は良いけど、人と接する経験に疎い、ということは意識しています。だから、人とどう接していいか分からなくて、よく行動で失敗してしまうんですよね。今のところは、ちょっと……いえ、すごく偉そうなんですけど(笑)、そういうところで、等身大の少女らしさとか、不器用なところが出せたらいいな、って思ってます。 あと、アフレコ中で印象的だったのは、木内さんが「灰色狼(はいいろおおかみ)」というセリフを「狼娘(おおかみむすめ)」ってすっごい良い声で堂々と言ったことです。詳しくは……江口さんよろしくお願いします! |
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江口 | えっと……(焦る)。僕は高校生の時に人生の指針として心に刻んだのが「質実剛健」という言葉だったんです。ただ、この仕事を始めたときに、自分はあまりにもクソ真面目だったのでそれがネックで「どうしたら変われるんだろう?」ってすごく悩みました。でもこの一弥という役に出会って、疎ましかった真面目さを活かせるところがすごく嬉しくて、一弥の思いと自分の気持ちが近づいてシンクロするようなところが楽しいです。話がズレてしまいましたが、演じる上で自分に通ずる真面目さを活かすよう意識しています。 アフレコ中のエピソードの続きは、そのあと僕のセリフがあったので、思わず「えっ?」って言っちゃいました(笑)。でも、本番中だったのでそのまま続けようとしたら、周りも「え? 続けるの?」という雰囲気になって(笑)。 |
悠木 | テストが完璧だっただけに、みんな動揺しましたよね。 |
一同 | (笑)。 |
鹿野 | 私のやっているセシル先生はすごく演じやすいです。ちゃらんぽらんなところが、自分にもしっくりくるので(笑)。面倒なことを他人に押し付けたり、テンションで押し切ったりするところも、やりやすいですね。でも、先生としてヴィクトリカや一弥のことを心配したり、大人として面倒をみたりするようなところは忘れないようにしています。 アフレコ中の話の続きですが、実は木内さんはオーディションでも「灰色娘(はいいろむすめ)」って言っちゃって、「これは絶対に落ちたな」って思ったとか……それでも決まったのだから、やっぱり役に近いものがあったのではないでしょうか(笑)。 |
木内 | そうなんですかね?申し訳ありません。グレヴィールは、ヴィクトリカの前ではすごくとっちらかった印象なので、「面白おかしく演じてください」って言われました。今までは、2枚目かその逆か、そのどちらかに徹底している役が多かったので、その真ん中で、かつ「地」を出すのが慣れなくて、「もっとやっていいのかな?」って感じで小出しに演じてます(笑)。 そして、アフレコ中の面白い話は僕は特にないです。 |
一同 | えー!? |
木内 | みんなが話していたのは、「灰色狼(はいいろおおかみ)の分際で」というセリフを「狼娘(おおかみむすめ)」と失敗してしまった事です。テストの後の演出で、「侯爵の息子らしく演じてみてください」って言われて、「???」マークでしばらく頭がいっぱいになってしまったんです。それで、間違えちゃいけないと思っていてポロッと出たのが「狼娘」だったんです。 |
悠木 | しかも、本番前にわざわざ台本に書き込みされていたんですよね。 |
木内 | はい、申し訳ありません。オーディションも失敗し大爆笑させてしまったので、もう間違わないようにと思って、ひらがなで大きくルビを振ってたんですけど……。本番ではなぜかそれを読まずにさらに進化させた「狼娘(おおかみむすめ)」って言ってしまって……本番中にもかかわらず、「またやっちゃった」って小声でポロッと口に出てしまいました。これからは後輩にコケにされないように頑張っていきたいと思います。 |
悠木 | 江口さんは、まず「でかっ!」と思いました。自分が小さいのもあって、すごく大きかったです。でも、その身長差がパッと見たとき一弥とヴィクトリカっぽいかな、って思います。あと、「この人きっとすごく真面目だな(笑)」って見た瞬間に分かりました(笑)。 |
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江口 | えっ、どういうことですか? |
悠木 | 真面目なのは悪いことじゃないんですよ(笑)。 |
江口 | うーん、自信を持っていいんでしょうか……。僕は、悠木さんを見て「ヴィクトリカだ!」って思いました。別の現場でお会いしたことがあったのですが、その時は逆にあの……身長の問題で……マイクの位置なんかも他の人とは全然違って……その小柄な方だなあ、と。 |
悠木 | もう遠慮せずに「ちっちゃいな」でいいですよ(笑)。 |
江口 | すみません(笑)。あの…しゃべったら面白い方でした! |
木内 | すごく人気のある原作のアニメ化なので、僕自身も原作を読ませてもらっていて、これからどう展開するのか楽しみで仕方ないです。原作ファンのかたはもちろん、アニメから入ったかたにも楽しんでもらえる内容になっていますよ。 |
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鹿野 | 私も原作を全部読ませていただきましたが、面白いところは全部アニメでも再現されているし、イメージもぴったりです。逆に、アニメを観ていただければ、小説も読みたくなるのではないでしょうか。個人的な希望を言えば、これからセシル先生の出番がもっと増えるといいな(笑)。 |
江口 | 第1話のダビング作業を見学させていただいたのですが、絵はすっごくキレイだし、音楽もすっごく素敵で、サントラが欲しくなりました。ものすごく世界観に引き込まれる作品なので、ほん……っとに期待していただいていいと思います! よろしくお願いします! |
悠木 | キャラクター作りなど、みんなで1から話し合って作っている作品です。アニメから観てくださるかたはもちろん、原作を、そしてヴィクトリカを愛してくださっているファンのかたのイメージも壊さないようがんばっています。いつもは自分の演じる作品の原作は、敢えて演じる前には読まないことにしているんですが、今回は先に読ませてもらったことで、自分も1人のファンの気持ちになれたのが良かったと思います。私は小説を読んで世界を想像するのが好きで、自分の中のヨーロッパをもとに、架空の国であるソヴュールを思いながら読んでいるんですが、それが絵になって、動いて、命を吹き込まれている、ということにすごく感動しています。なので、ぜひたくさんのかたに観て、楽しんでいただきたいと思います。 |