日本全土を射程 北朝鮮がムスダン発射準備

北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程約3千キロ)の発射実験を数カ月以内に実施しようと準備を進めていることが24日分かった。朝鮮半島情勢に詳しい情報筋が明らかにした。北朝鮮は10月の軍事パレードで、ムスダンとみられる新型ミサイルを登場させたが、これまで発射実験は行っていない。実験によって実戦可能であることを“宣言”するとみられる。北朝鮮軍による韓国国内への砲撃で、朝鮮半島情勢が緊迫化しているなかでの弾道ミサイル発射準備は、北朝鮮のさらなる挑発行為といえる。

ムスダンは在日米軍基地が集中する沖縄まで射程圏に収める。北朝鮮で核弾頭を搭載するミサイルはムスダンが最初になるともみられている。北朝鮮はこのほど米専門家に寧辺(ニョンビョン)の新たなウラン濃縮施設をみせており、ムスダンの発射実験はウラン濃縮とも密接に関係しているといえそうだ。

同筋によると、発射は北朝鮮との間でミサイル開発で協力関係にあるといわれるイランとの間の共同作業で進められ、実験結果に関する情報などは両国で共有するという。

さらに、同筋は「イランからの代表団が10月10日の軍事パレードに招待され、VIP席で観覧していた」と語った。代表団はイランのミサイル開発に携わるSHIG社の幹部らで構成されていたという。SHIGは北朝鮮とのミサイル協力にも深く関わってきたとされ、米国などは大量破壊兵器拡散に関与していると制裁措置を講じてきた。

ラヂオプレス(RP)によると、10月のパレードで、ムスダンとみられるミサイルは、大型のミサイル発射台付きの車両に搭載され、8基が確認された。

米海軍の弾道ミサイル発射監視艦「オブザべーション・アイランド」は23日に米海軍佐世保基地に寄港した。ミサイル発射に備えた動きの一環とみられる。



在日イラン大使館の話

「在京イラン・イスラム共和国大使館は、イランと北朝鮮との間には弾道ミサイルをはじめとする、いかなる軍事協力関係も存在しないと強調する」

(出典: MSN)