米国のIT(情報技術)企業が2010年10~12月期の決算で、相次ぎ最高益を発表している。合理化で利益を捻出する守りの経営ではなく、世界中で売り上げを伸ばす攻めの結果である点に注目したい。
前年同期比48%増の33億ドルの純利益をあげたインテルは、インターネット上の情報交換に欠かせない、サーバーとよばれる業務用コンピューターの事業が好調だった。
背景にあるのは、米国を起点として世界に広がる企業の情報管理や個人の消費スタイルの変化だ。
企業の間では、ネット経由で情報やソフトを使うクラウドコンピューティングが活用されている。音楽や書籍をデータとして購入する個人も爆発的に増えている。情報やデータを提供するサーバーの作動に欠かせないMPU(超小型演算処理装置)で、インテルは大きな市場占有率を持っている。
情報を蓄える川上で潤ったのがインテルなら、個人がデータを受信する川下で輝いたのがアップルだ。データを受け取るための高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」関連の売り上げが104億ドルと9割近く伸びたうえ、昨年4月に発売した多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」も46億ドルの収入をもたらした。その結果、純利益は60億ドルと78%増えた。
アップルが先行する高機能携帯電話などの分野で、パソコン向け部品に強いインテルは劣勢が伝えられてきた。そこでインテルは今年から、そうした携帯端末向けの部品供給を本格化する。米マイクロソフトと組むことにより確立した、「ウィンテル」と呼ばれるIT産業の世界標準は崩れ去った。
そうした産業構造の変化とともに見逃せないのが、アジアをはじめとする新興国が米企業を支える構図だ。IBMの売り上げの2割強を占めるアジア・太平洋地域の増収率は14%と欧米を上回った。
金融危機後の合理化により、米大企業は2兆ドルの現金資産を抱えた。IT企業からは、成長を加速させるため買収などにお金を投じる意向を表明する声も聞かれる。同様に多額の資金を持つ日本企業も出遅れることなく、攻勢に転じたい。
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ドル/円 | 82.60 - .62 | -0.25円高 | 28日 14:44 |
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長期金利(%) | 1.210 | -0.015 | 28日 14:58 |
NY原油(ドル) | 85.64 | -1.69 | 27日 終値 |
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