2011年1月19日15時1分
山戸孝さん(右)方の太陽光発電パネルと太陽熱温水器。同じようなものを島内に増やしていくという=山口県上関町祝島、渡辺写す
上関原発建設予定地(手前)の向こうに浮かぶ祝島=山口県上関町、朝日新聞社ヘリから、溝越賢撮影
ただ、祝島は海底ケーブルで届く中国電の電気を使っており、反対運動への批判もある。「自然の力でエネルギーを自給できたら」との機運が島民の間で高まり、「島民の会」運営委員の山戸孝さん(33)を中心に、自然エネルギー普及の知識や経験の豊富な旧知のNGOの飯田所長らと構想を練り上げた。
試算では、島で必要な電力は約1千キロワット。1台3〜4キロワットの太陽電池を100基設置するのを当面の目標に、し尿を生かすバイオマス発電や小型の風力発電、太陽熱温水器も順次導入。送電線も強化し、10年ほどで島内のエネルギー生産が使用を上回る「自給率100%状態」をめざす。
飯田さんによると、一定区域で「自然エネルギー100%」を目指す計画は欧州などでいくつかあるが、日本で本格的なものは初めてという。山戸さんは「持続可能なエネルギーで島が自立することが、原発計画を止めることにもなる」と意気込んでいる。(渡辺純子、安田朋起)