第6回検察の在り方検討会議でヒアリングに臨む村木厚子・厚生労働省元局長=東京・霞が関の法務省で2011年1月27日午後3時45分、三浦博之撮影
郵便不正事件に絡む証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を受けて設置された法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」は27日、郵便不正事件で無罪が確定した村木厚子・厚生労働省元局長らから意見を聞いた。村木元局長は、最高検が昨年12月に公表した検証報告について「裁判が終わって感じた疑問に答えていると期待したが、期待はかなえられなかった。非常に不満が残った」と厳しく批判。取り調べ可視化の必要性も訴えた。
村木元局長は「検察が、客観的な事実と違うたくさんの調書をチームで作ったことを恐怖に感じた。私だけ記憶喪失にかかっているんじゃないかと思った。どうして私がかかわったという調書が作られたのか。私が事件の首謀者だというストーリーを作り、公判でも維持したのはなぜか。裁判が終わって二つの疑問が残った」と述べ、検証でも疑問が解消されなかったと指摘した。
また、最高検が村木元局長から直接事情を聴かなかった点について「私と(証人出廷した)検事の主張は真っ向からぶつかっていたのに、検事からしか聴かずに検証した。非常に疑問だし不満が残った。なぜ事実と違う調書が作られたか直視せず、原因の分析がなかったことに大変がっかりした」と語った。
再発防止策としては「調書がまともなものであると担保するために可視化は必要」と取り調べ全過程の録音・録画の必要性を強調。「取り調べは、リングにアマチュアとプロのボクサーが上がり、レフェリーもセコンドもいないと思った。弁護人の力を借りないとなかなか勝てない」として、取り調べへの弁護人立ち会いも求めた。
【石川淳一、町田徳丈】