2010年11月29日 20時15分
大手商社の双日は29日、輸入のためにレアアース(希土類)を積んだ船3隻が、日本に向けて中国から出港したことを明らかにした。30日から12月4日にかけて日本に到着する予定という。9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後、大手商社の輸入再開が確認されたのは初めて。
双日によると、輸入が再開されたのは、日本国内の業者の依頼を受けて輸入した4件の注文分、計66トン。27日に天津、27、28日に上海を、それぞれ1隻ずつ出港した。衝突事件後、日本向けのレアアース輸出の通関手続きは滞っていたが、双日によると検査なども「緩和されて平常に戻ったようだ」という。ただ「依然、全量の検査が行われている」(別の大手商社)との情報もあり、輸出停滞が完全に解消したかははっきりしていない。【井出晋平】