はやぶさ:大粒の微粒子数百個 「イトカワ」の物質か

2010年11月29日 20時8分 更新:11月29日 20時25分

新たに数百個の微粒子が見つかった小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル=JAXA提供
新たに数百個の微粒子が見つかった小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル=JAXA提供

 6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから、最大で直径0.1ミリの微粒子が新たに数百個見つかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が29日発表した。発見済みの微粒子に比べ、直径で10倍、体積で約1000倍大きい。100個以上が小惑星「イトカワ」の物質の可能性があるという。宇宙誕生の謎に迫る今後の分析作業が格段に早まると期待される。

 JAXAは11月16日、光学顕微鏡で見えない直径0.01ミリ以下の微粒子約1500個をイトカワ表面の物質と発表した。人類が直接小惑星から採取した初の成果となった。

 その後、微粒子が入っていた円筒容器(直径約5センチ、長さ約6センチ)を下向きにし横から工具で軽く数回たたくと、下に置いたガラス皿に直径0.1~0.01ミリの顕微鏡で見える粒子が数百個落ちてきたという。

 粒が大きいほど調べやすいため、12月中に電子顕微鏡でイトカワ由来かどうかを判別後、発表済みの微粒子より先に詳細に分析する。これまでの経験からアルミ片以外はイトカワの物質の可能性が高いとみられる。

 今回の発見について向井利典JAXA技術参与は「コンコンとたたき、何とも原始的な方法だが『何もない』という先入観で今までやらなかった」と説明した。【山田大輔】

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