2010年11月28日 1時41分
【パリ福原直樹】パリで開催中の大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT、加盟48カ国・地域)年次総会は27日、資源枯渇が懸念される大西洋産クロマグロの来年以降の総漁獲枠を決定して閉幕する。総会関係者によると、27日の交渉では日本と欧州連合(EU)が現行の1万3500トンから1万2900トンに減らすことを提案。更に、欧州諸国が過去に漁獲枠を超えて捕り過ぎた分を返上する方向で大詰めの調整が続いている。
大西洋産クロマグロは産卵前の幼魚を捕って育てる「蓄養」の影響で資源が減少。3月のワシントン条約締約国会議では国際取引禁止案も議論された。しかし、ICCAT総会を前にEU内では大幅削減を求める英独と現状維持を主張するフランス、スペインなどが対立。結局、EUは大幅削減は求めない方針で総会に臨んだ。
一方、日本は、仏などの乱獲を批判。EU諸国が05~06年に漁獲枠を超えて捕った約3000トンを今後の枠から差し引くことで実質的な削減を目指した。