萩市は今年3月21日開館する萩市立萩図書館に、電子図書館をスタートさせる。インターネットで書籍を閲覧するもので、来館が困難な遠隔地の住民や入院患者らの利用が可能になる。全国の公立図書館では東京・千代田区図書館、大阪・堺図書館に次いで3カ所目。
電子図書館は、ページごとスキャナーで読み取った本をインターネットを通じて、一定期間(2週間)貸し出すもので、パソコンによる文字の拡大や音声での読み上げも可能。高齢者や視覚障害者の利便性が高まる。当初は、図書整備をしてこなかった資格試験用問題集や語学学習用テキストを中心に、500冊(タイトル)を導入する予定。11年度中に1000冊まで増やし、同時にタブレット端末にも利用を広げたい考えだ。
新図書館は現在の図書館横に児童館と併設。鉄筋コンクリート2階建てで総事業費14億円。敷地面積が現在の倍の約2900平方メートルあり、4、5年かけて、蔵書を現在の約14万8000冊から21万5000冊まで増やしていく予定。
県内の図書館としては初のNPO(萩みんなの図書館=陽(みなみ)信孝理事長)による運営で原則年中無休。開館時間は午前9時~午後9時を予定している。【川上敏文】
毎日新聞 2011年1月27日 地方版