第三の隣人　中国朝鮮族

　韓国に行くと中国朝鮮族を数多く見ることが出来ます。理由は、中国朝鮮族が韓国・ソウルのような大都市で出稼ぎに行く人が多いからです。ただし韓国でも、とりわけ中国朝鮮族を優遇しているわけでもなく、むしろ冷遇しているというのが率直な感想です。たとえば、ソウルの東大門市場付近で屋台をやっているおばさんたちがいますが、彼女らの多くが朝鮮族です。以前、友人とソウルに遊びに行ったとき、たまたまその屋台のおばさんが朝鮮族でした。
　もちろん日本にもイリーガルに日本に来て出稼ぎしている朝鮮族もいますが言葉が通じる韓国での出稼ぎは圧倒的に多いというのが実情です。もちろん、イリーガルでの出稼ぎは良いとは言えませんが朝鮮族に聞きますと、「生活するためには仕方がない」という答えが返ってきます。学費だけでも月給の半分を占めるので、子供を大学に行かせるためには必然的に韓国へ出稼ぎするというのです。
　ただし韓国政府が中国朝鮮族の出稼ぎを多少黙認しているのは彼らがいないと韓国社会が成り立たないからです。日本での3Kにあたる3Dの仕事を担うのは彼ら中国朝鮮族なのです。屋台での仕事、建築現場での作業員、韓国社会の至る所でも中国朝鮮族を見ることはできます。我々日本人観光客が気が付かないところでも朝鮮族はいます。
　しかし、先に申し上げましたとおり韓国人の中国朝鮮族に対する眼差しは大変厳しいものがあるといえます。理由は率直に言うと韓国人に言わせると「犯罪が多いため」「韓国人をよく騙す」というものです。そのためか一昔前はよく韓国人と朝鮮族との結婚が多かったのですが、最近は朝鮮族を敬遠し、ベトナムにシフトしているという報道もあります。
　他方、そのような韓国人に対しても同胞なのに冷たいという感情が中国朝鮮族にはあります。例えば、韓国での出来事ではないのですが、嫁があるテーマパークでアルバイトをしていたときのことですが、韓国人が多数やってきて韓国語で通訳したのですが朝鮮族であると知ると途端に冷淡になりました。韓国人の感情に中国朝鮮族を関心を持って見ないかもしくは格下で見ていることは間違いありません。




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