第三の隣人　中国朝鮮族

　以前、10年前に中国の延吉で聞いた北朝鮮のラブソングが「口笛」であったことは前に書きましたが、1980年代に北朝鮮で流行した曲なのですが、この曲は実に朝鮮民族の心情に合致しています。
　北朝鮮というと革命歌や将軍様を賛美する「あなたがいなければ祖国もない」とかそういう歌ばかりだというイメージがありますが、当時延吉にいた私は、この口笛を聞いて、「ほお、北朝鮮人民も恋愛感情はあるのだなあ」とあたりまえのことを知ったときでした。もちろん、北朝鮮の国境地帯である延吉でも流行し、韓国でも大ヒットしました。
　この歌を歌ったのは、チョン・ヘヨンという高音を得意とする歌手なのですが、朝鮮女性でも誰でも歌えるというわけでもないようでうちの嫁は多少低音なのでこの歌はあまり得意ではありません。
　この歌はもちろん原語は朝鮮語なのですが、ある一人の男性が好きな女性を思いながら口笛を吹くという切ない内容の歌です。時には、好きな女性の家で待って唄うなど北朝鮮男性には積極的な姿が垣間見えます。(１歩間違えるとストーカーですが)
　中国朝鮮族女性も比較的積極的な男性が好きです。もちろん人によりますが、見えないところでも見えるところでも私を愛して欲しい、朝鮮民族の女性の願望とも言える歌です。
　ただ、チョン・ヘヨンが唄う曲は、ラブソングが多いのですが、「目標達成した男性」、「鉱山夫」や「年間計画」を達成した男性は素敵という歌が多く必ずしもイデオロギーから自由になっているわけではありません。
　





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