2010年11月10日23時28分
日本郵政グループは10日、非正規社員から正社員に登用する試験の最終合格者が8438人だったと発表した。亀井静香前金融・郵政改革相が郵政改革法案とセットで「10万人の正社員化」を打ち出したが、ねじれ国会で法案成立は困難に。日本郵政は将来の経営が見通せず、負担増につながる正社員の登用数を絞り込んだとみられる。
合格者は12月1日付で正社員として登用する。グループ約21万人の非正規社員のうち、原則として勤続3年以上で週30時間以上働く60歳未満の非正規社員計6万5千人を対象に募集し、約半数の3万4134人が応募。8月から選考していた。今回の人数について日本郵政は「あくまでも正社員としてふさわしい人を採用した結果。2008、09年度に非正規社員から正社員に採用した各約2千人よりはるかに多い」としている。
希望する不合格者は郵政大学校などで研修を受けた上で再受験が可能だ。日本郵政は次回は来春、正社員化の選考を実施するとしている。
正社員化は亀井氏が2月に打ち出し、10万人程度の希望者を数年程度かけて正社員化する構想だった。だが、完全民営化路線を見直す郵政改革法案が通常国会で廃案となり、亀井氏は閣僚を辞任。法案は臨時国会に再提出されたが、成立は困難な情勢で、日本郵政は将来の経営見通しが描けない状態となっている。
斎藤次郎社長は「法案が成立しなくても正社員化は進める」と強調してきたが、採用すれば1人あたり年間約200万円の人件費増となるため、日本郵政内では当初から大量採用に慎重な意見が少なくなかった。採用数が1万人を割り込む結果に、一部の労組からは「予想以上に少なかった」との意見が出ている。