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スタッフ半減の衝撃 産経が大ナタ振るう夕刊フジ大リストラ

週刊文春 1月27日(木)12時12分配信

「イヤな予感はありましたが、ここまで強烈とは」

 東スポ・日刊ゲンダイと並ぶ夕刊紙御三家のひとつ、産経新聞社が発行する「夕刊フジ」が、二月一日付で大リストラに踏み切る。スタッフ半減という“廃刊含み”とも思える内容に、関係者には衝撃が走っている。

「これまで約五十名のスタッフから、減員になるのは二十五人程度。手付かずで残すのは競馬担当ぐらいで、芸能や政治、経済、レイアウトを担当する整理も半減になります。うちは『朝組み』といって当日午前中の生ニュースを入れるのが創刊当初からの伝統ですが、面数は変わらず人が半分になれば、ほぼ無理です。上は『企画で勝負しろ』なんてメチャクチャなことを言ってますが、アホかと思いますよ」(中堅記者)

 スタッフの異動先は、産経本体の営業、政治部や経済部、サンケイスポーツなど。

「が、これまで夕刊フジの看板を背負って頑張って来た連中ばかりで産経新聞への帰属意識は薄い。出るも地獄、残るも地獄ですよ」(同前)

 編集部でこの異動を発表した幹部は、思わず涙ぐんでいたという。

 夕刊フジは、三年ほど前にもリストラでスタッフを四分の一減らしたばかりだった。

「産経本体に利益を吸い上げられてしまうので、単体でいくら稼いでも焼け石に水。しかも、数年前まで実売で二十万部を超えていた部数が、損益分岐点とされる十三万部を割り込んでしまったのも、産経本体から来た代表が旗を振った、『女性にも子供にも読ませる夕刊紙にしよう』という紙面改革や記事の無料ネット配信が凶と出たから」(経済ジャーナリスト)

 異動の決った別の記者からはこんな恨み節も。

「そもそも産経の住田良能(ながよし)社長自身が手掛けたビジネスアイやサンケイエクスプレスの方がよっぽど業績は悪いはず。夕刊フジを標的にしたのは、本社の幹部に愛着がないからですよ。このリストラを直前まで極秘裏に進めたのも、メインバンクに対して大ナタを振るったように見せる必要があったということなんじゃないですか。読者より銀行を気にしているとしたら、士気の低下と読者離れは避けられないでしょう」

 いよいよ新聞界も追い詰められつつあるようだ。

(週刊文春2011年2月3日号「THIS WEEK マスコミ」より)

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最終更新:1月27日(木)12時12分

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