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研究内容
有機合成化学の醍醐味の一つは天然物合成である。当研究室では,ヒトの病気の治療薬になり得るような生物活性を持つ天然物の中で,aconitineやginkgolide
Cのように構造が複雑でチャレンジングな標的分子の全合成に取り組んでいる。
現在合成に取組んでいる天然物

また当研究室では,効率的な生物活性天然物の合成を達成するためにユニークな方法論の開発や新しい素反応の開発にも取り組んでいる。最近では,触媒的環化アルケニル化反応やホモアリル-ホモアリルラジカル転位反応の開発,さらにYb(OTf)3-TMSCl触媒系によるcross-aldol反応の開発にも成功している。
天然物合成を指向した反応の開発
1. 触媒的環化アルケニル化反応

Toyota, M. J. Syn. Org. Chem. Jpn.,2006, 64, 25.
2. ホモアリル−ホモアリルラジカル転位反応

Toyota et al., J. Am. Chem. Soc., 1998,
120, 4916.
3. スズを使わないホモアリル−ホモアリルラジカル転位反応

Toyota et al., Org. Lett., 2005, 7, 3929.
4. Yb(OTf)3-TMSCl
触媒系による cross-aldol 反応

Toyota et al., Org. Lett., 2006, 8, 875.
5. パラジウム触媒を用いる新規酸化的環化反応

Toyota et al.,Tetrahedron Lett., 2009, 50, 75.
6. ランタニド金属触媒を用いる新規α,β-不飽和アルデヒドの合成法

Toyota et al.,Tetrahedron Lett., 2010, 51, 482.
教育方針
一人一テーマで天然物合成を行っており,毎日の研究を通して責任感と不撓不屈の精神を持った合成力のある人材の育成を目指している。
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