東京都教育委員会は、公立小・中学校で土曜日に正規の授業を行う際の留意点について、市区町村教委などに通知しました。回数は月2回まで、内容も授業公開を前提とするなど限定的にではありますが、原則として休みにすることが法令で決められている土曜日の活用に一歩踏み込んだことは、注目されます。全国の学校では今、授業時間数が増える新学習指導要領の対応に追われていますから、ほかの道府県にも影響を与えることは必至です。場合によっては、5日制そのものの在り方も問われることになるかもしれません。
通知によると、土曜日の正規授業はあくまで「保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進める観点から実施できるもの」としており、具体的には(1)「確かな学力」の定着を図る授業の公開(2)道徳授業地区公開講座やセーフティ教室(3)保護者や地域住民等をゲストティーチャーに招いての授業――に限っています。そうすれば、学校・家庭・地域の連携と役割分担を進めるという「学校週5日制の趣旨」にも合っている、というわけです。
一方で、都教委の説明には、注目すべき部分があります。土曜日活用に踏み切った理由として、授業時数の増加により平日の時間割が過密になり、子どもも先生も負担が増大することを挙げているのです。さらに、5日制が目指していた学校・家庭・地域の連携についても「必ずしも十分でない」との認識を示しながら、現状を「このまま放置しておくことはできず、早急に解決しなければならない」とさえ言っているのです。
5日制は、1992(平成4)年9月から月1回(第2土曜日)、95(同7)年4月から月2回(第2・第4土曜日)と拡大され、現行の指導要領が全面実施となった2002(同14)年4月からは、毎週が休みになっています。学校教育法施行規則という文部科学省令で、公立学校の休業日を「日曜日及び土曜日」(61条など)としているからです。ちなみに私立の場合は「学則で定める」(62条など)と、それぞれの学校の判断に任されています。
実は新しい指導要領でも、土曜日に正規の授業を行うことは容認されています。ただし、指導要領の基になった中央教育審議会の答申を見ると、「総合的な学習の時間」で地域に出たり、外部の人といっしょに授業を行ったりする場合に限っています。答申では5日制を「維持することが適当」と明記していますし、鈴木寛文科副大臣も記者会見で「方針を変えるつもりはない」と明言しています。
ただ、どんな形にせよ、正式に土曜日が授業に使える道が広がると、限定的にではなく昔のように認めるべきだ、という声も高まってくるかもしれません。そもそも5日制の趣旨は、土曜日や日曜日に学校ではできない体験を地域や家庭で思い切りやってほしい、というものでしたが、都教委が指摘するように、全体としてそういう活動が当初想定したほど活発になっていないのも、現実のようです。見直すかどうかは別として、5日制の在り方について今一度考えてみることも必要なのかもしれません。
1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。
1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代〜模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。
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東京都教育委員会は,土曜日の正規授業はあくまで「保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進める観点から実施できるもの」としているようですが,なぜ国の方針に逆行してまでそのようにするのかよく分かりません。
そもそもの東京都教委の立脚点である,観点授業時数の増加により平日の時間割が過密になり、子どもも先生も負担が増大することの解決,即ち平日から取りこぼれる時数確保につながる補習に準ずるような授業は,上記の観点につなげるのは無理があると思います。
土曜日に平日とは異なる形態の授業課程,またはワンショットの打上げ花火のような授業企画をするのは,現場の教職員や児童生徒に新たに負担を強いるだけになるのは,私にも容易に想像ができます。
私達の市では,「教育課程のスリム化実施」が数年前から行われており,なおかつ時数確保も視野に入れて,無理や無駄を省いた教育行政が実施されています。児童生徒にもようやく目に見える形の学力増進につながってきています。そのような取り組みこそが必要だと考えます。
うちの子供の学校では月に一回 土曜スクールといって午前中だけ学校に行っています
やっている内容はプリントのようですが、自由参加なので 野球を習っている息子たちは
行かず 長女だけ行っています
プリントをやっているだけなので 行く意味があるのか ちょっと考えてしまいます
授業数の増加で、確かに「平日の時間割が過密になり、子どもも先生も負担が増大する」と思います。
実際、私の子どもの後に入学されたお子様は1週間の授業時間数が多くなっています。
一年生にとって、辛いかもしれませんね。
また昨今、子どもを狙った犯罪も増えていますので、日が暮れる時間が早い季節だと、下校が遅くなるのは心配です。
ただ「総合の時間」は本当に必要なのかと思います。また、「郊外学習」が大変多い学年がありました。内容を見ますと「近くの土手に行って虫を採る」等。
それも大切だと思う反面、国数理社の理解が低下している指摘もあるので、そちらに移行する事で、先生や子どもたちの負担が少しでも和らげることが出来るのではないかと思います。
今後、与党は1000万人の中国・韓国人優先の移民を受け入れるとの事ですので、授業数を増やしたとしても、どの様な内容なのか分からないと思います。
日本語を話せない外国人が増加することにより、「外国文化を学ぶ」や「外国の言葉を会得する
」などに当てられるのではないかと危惧します。
そうなると「日本の子どもたちの勉強の質を高め量を増やす」大義名分は、一体何処へいくのでしょうか?
とにかく、資源のない日本。私達(特に母親)が子どもたちの未来を真剣に考える必要があると思います。
土日は保護者を交えた学校行事に使えるようになることを望みます。
今のままでは結局代休という形で月曜休みが増加しているのが現状に思われ、
月曜日の授業がなくなることが多くなる上に、
平日休みになりその分保護者は会社を休むようになります。
先生、保護者、子供たちみんなから見ても月2回位学校があっても良さそうに思います。
小学生の内は「土曜日休み」で、良いと思います。
親がフルタイムで仕事をしていて「土日休み」なので、家族で土曜日に思いっきり活動して、日曜日はゆっくりしたり、家庭学習に充てたり・・・。大切な家族の時間です。
中学生になったら、望んでも親と行動を共にしなくなっていくと思うので、中学から「土曜日授業」を実施して、従来の「受験の為の勉強」をしていけば良いと思います。
上の方のコメントにもありましたが、「総合学習の時間」って必要なのでしょうか?
やたら「校外学習」で出掛けていますが、座学で十分じゃないかな?と思う内容が多々ありました。
「総合学習の時間」の時間を、以前の国数理社に「英会話(受験用の英語ではなく「聞き取り、話す」)」を加えて、カリキュラムを組んだらいいのになぁ〜・・・と思っています。
毎週土曜休みにしなくてもいいかなと常々思っています。土曜の休める職種の方たちばかりでないし。
時間数増加で来年度の一年生は月曜から金曜までずっと5時間授業になります。
上の子たちのときは4時間授業の日が週に2日あり、ちょっともてあまし気味でしたが、学校になれるだけでも大変な一年生が5日間5時間というのはあまりにもかわいそうな気がします。
高学年も現在は5時間授業の日が週に1日で、お友達と遊ぶ時間もほとんどありません。毎日なんだかバタバタと余裕なく過ごしているような気がします。
人が資源という国、日本の国情において、何を優先すべきかという問題があるように思います。
ただ思うに、塾や課外活動の評価を通常の授業並みに上げていくことが、現実性があるように考えます。
先生の負担が云々という議論は先生自体が教育者でなく、サラリーマンになっているという現状を暗示するところですが、それは所与として受け入れた場合に、不足する人員を先生で補う必要があるかとなります。
テレビでも一定の基準、例えばNHK教育テレビの視聴は単位認定可能にするなど、もっとフレキシブルで幅広い教育が必要に感じます。
今、ゆとりの生活や家族団らんが大事だといわれている現在、せっかくの休日の土曜日の授業は勉強が不足したときに補足した形に行うほうが望ましいと考えていました。しかしシモン茶さんのご意見のとおり、代休が発生し、急に予定を変更しなければならず、忙しいときもあります。それならば、月2回と決めて土曜日授業も良いかもしてませんね。
現職の小学校教師です。土曜日の授業実施に賛成です。
理由は、述べられている通り平日の授業が新制度によって更に増えることによる子供、教員の心身への大変な負担です。土曜日授業を学校5日制の趣旨に無理やり合わせて行事等の実施のみなどと考えずに、1995年の制度に戻すべきです。3つの制度を経験してみてそれがベストと考えます。
日本の教育をどうしていくのか、しっかりした軸の無さによる変更は現場が混乱するだけです。責任は国にだけあるわけではなく、現場の意見の吸い上げ方と現場教師の意志の表明不足(実際はあきらめもある)によるものです。私自身このようなコーナーに投稿することはめったにありません(余裕が)。
総合的な学習の内容と是非についてはまたの機会にします。
週休5日の導入は、「子供を家庭・地域に返す」というものだったと記憶しています。都教委の土曜日活用に踏み切った理由の一つに、新学習指導要領の改訂により、授業時数が増加し、結果、平日の授業が6時間や7時間と過密になるというのであれば、もう一度、次のことを慎重に検討し、因果関係をハッキリさせてから実施して欲しいと思います。
1)学力低下は、本当にゆとり教育の弊害からなのかどうか
2)OECDの日本の順位を過去の日本の順位と単純に比較する方法はただしいのか(教育環境の整った参加国数の増加の変動数の影響を加味しての比較はされているのか)
1)において、授業時数の面では日本に及びもつかない米国で、4年半アメリカの現地校(公立)に通った子供の学力は、帰国後、日本での教育を受けてきた生徒達に劣ることはない、2)の比較が単純比較の結果であれば、統計学的に比較可能だとは思えない。
週末は子供達が他のことに打ち込めるゆとりの時間が欲しいし、ゆとりがあってこそ、いろいろな意味で人間的にも成長できるのでは?と思います。過密気味の学校現場の教師や生徒達の負担がこれ以上増えるのは心配です。もう少し根本的な部分で、地域力を育てる議論を高めていくことが重要ではないでしょうか。
早く土曜日の授業を復活させてもらいたいです。隔週の土曜休みがとても良かったです。
話の中に授業時数の増加により平日の時間割が過密になり、子どもも先生も負担が大きいとありますが、その通りです。
土曜日に何をするかは、それぞれの家庭に委ねられています。
スポ少や地域の行事に参加するのも良いでしょう。しかし皆が皆そういう状況下にあるわけではないのです。
最近はほとんどの方が、乳児、幼児の頃から保育園に預けて働いています。
母親は土日が休みとは限りません。むしろ仕事の方が多いです。
となると子供は何ができるのでしょうか?
家でだらだら!
ゲームやテレビ、パソコン!
友達で同士で遊んでも家でダラダラがせきの山。
子供の時はどんな事も、遊びに変えながら楽しく吸収できる時期なんです。
覚える力や教わりたい気持ちを持っているのに、ゆとりなんて必要ありません。
ゆとりは子供をダメにします。ダラダラの生活は後々までひびいてくるものなのに…
完全週休2日制になった当初から反対意見が多く出されていたにも関わらず今もって改善されていないとはどういうことでしょうか?
子供の成長は待ってくれません。
「つめこみは良くない」「受験戦争はなくそう」といわれ
「ゆとり教育」になったけれど、競争社会は、ますます悪化するばかりです。
それなら興味いっぱいの幼児、小学生時期にたくさんの事柄を詰めてもらいたいものです。
「ゆとり」は「ダラダラ」にほかなりません。
都教委はあくまでガイドラインを示したに過ぎず、最終的には各教育委員会および都立学校の判断に委ねられるものと理解しました。
ガイドラインである以上、抽象的な表現に留まってしまうのは致し方ないですが、そのために色々な解釈がなされ、それが逆に混乱を生んでいるようにも感じます。
問題は今後どのように具体化されていくかだと思いますが、その道筋が見えていません。そして、その議論にどのようにしたら参加できるかも不明です。
現在、PTA副会長をしていますが、これまでに地域に開かれた学校にするためにどうするか、という議論をしたこともありませんし、学校側でそのような動きがあるようにも見えません。
そういう意味では、横並び発想からくる暫定的な実施で、混乱することが予想されます。
土曜日の授業賛成です。
家に居ても特に何をするわけでもなく、部活が有ればそれでつぶれ、無ければ友達と遊びに行くだけです。
子供たちも土曜授業賛成で、毎日の6限授業はしんどい。
午前中はどうせダラッとしてるだけだから学校が有る方が良いと以前から言ってます。
今年から2学期の始まりが8月27日に早まると今月の市の広報にありました。(今年は暦の関係で30日みたいですが)子供たちはなおさら土曜日に授業して、2学期は9月1日からが良いと言い始めました。
早く3限でも4限でも良いので土曜授業が始まればいいなぁと思ってます。
子供が小学6年生で、6時間授業が辛そうなので、土曜授業が始まると子供にとっても私にとってもいいのかなと思います。