島根大の女子学生と県警は、女性を狙う犯罪を防ごうと防犯ハンドブックを作った。編集メンバーの島根大3年、中村由佳さん(20)は、県立大の女子大生の死体遺棄事件から1年以上たったことに触れ、「防犯意識が薄れている。このハンドブックによって、1件でも犯罪が少なくなれば」と話した。1万部印刷。4月以降、女性の中学~大学生に配り、防犯教室でも活用するという。【御園生枝里】
防犯ハンドブック「girl’s safety book」は、島根大生でつくる「松江地区学生防犯ボランティアネットワーク」の女子学生6人が、女性に活用してもらえるように工夫しながら編集した。
サイズはA2判だが縦11センチ、横8センチのサイズに折り畳め、携帯できる。女性の好みを考えて、カラフルな色使いの両面印刷にし、童画家の佐々木恵未さんがイラストを描いた。
道を聞かれた時やエレベーターに知らない人と乗り合わせた時の注意点、アパートを選ぶ際に気をつけるポイントなどを記載。携帯電話で読み取るQRコードを載せて、不審者情報を知らせる県警の一斉配信メールに簡単に登録できるようにしたり、帰宅に使うタクシーの電話番号が分かるようにしている。肩こりや目の疲れに効く手足のつぼなど、ユニークな情報もある。
19日に同ネットワークのメンバー5人が県警本部で出来上がった防犯ハンドブックを披露。高瀬隆之本部長は「すばらしい。治安を良くするため、発想の乏しさを若い人に埋めてもらうことが大事だ」と、学生のセンスを高く評価した。
毎日新聞 2011年1月20日 地方版