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2009年8月14日 (金)

「Re:」の意味と由来 (1) ラテン系なのじゃ。「返信」ではなく「用件」「件名」のことだっちゃ。それでも謎は残る。。。

パソコンや携帯で電子メールに返事をすると、用件(件名)の先頭に自動的に「Re:」と挿入される(大抵の場合)。

この「Re」(リー)が、「Reply」や「Response」の「Re」、つまり「返信」を意味すると思っていた人も多いようだ。

しかし、最近いろいろなところで取り上げられているように、この「Re」は元来、「Reply」や「Response」の「Re」ではない。「返信」を意味するわけではないのだ。

この「Re」は、電子メールが誕生するずっと以前から英文ビジネスレターで用いられていた。その意味は、「~に関して」「~について」、つまり用件(件名)のことだ。「Subject」と同様の意味だ。

Re: Quotation for PC-123  とか、
Subject: Quotation for PC-123
のように用いる(意味はいずれも、「件名: PC-123の見積」)。英文ビジネスレターの本文の前に置く。

ではこの「Re」は何に由来するのか。

その意味からして、「Regarding(~に関して)」の「Re」と思っている人も多いようだが、違う。

これについては、私が持っている英文ビジネスレターの教科書(染谷泰正著『最新英文ビジネスレター作成マニュアル』、小学館、1989)に詳しい記述があるので、以下に引用させてもらおう:

(以下引用)
Reは、もともとラテン語の res (= thing, matter, object, or the subject matter of a suit) という語から派生した言葉で、in the matter of (= concerning, or regarding) という意味である。

たまたまこれが英語の "regarding" あるいは "reference" と同じ意味であることから、Reをその略語だと考えている人も多いが、上述のように Re はそれ自体でひとつの単語(前置詞)である。したがって省略を示すピリオド(Re.)を加えない。

また、Reは前置詞であるから、厳密に言えば "Re Quotation for PC-56" のようにコロンなしで使うのが正用法である。ただし、一般には (中略) コロンを加えることが多い。これは、"Subject: Quotation for PC-56"の場合と同じように、ひとつの項目を立てていると考えるためである(この場合のコロンは「つまり」という意味で、その後に内容を説明する語句が続く (中略))。

なお、B.M. Miller (Legal Secretary's Complete Handbook, Prentice-Hall, 1972) によれば、"re"(厳密には in re という形になる)は法律文書などにひんぱんに表れ、たとえば

James v. Jones, (in) re estate of Williams.
(ジェームズ対ジョーンズ、ウィリアムズの財産に関して)

のような形で使われる、とある。

このように、Re はもともと法律用語であるが、通常のビジネスレターでも、これを使うといくらか「高尚」(sophisticated) な感じが出ることもあって、かなり頻繁に使われている。
__________
以上、染谷泰正著『最新英文ビジネスレター作成マニュアル』(小学館、1989)pp.139-140より引用。

しかし、まだ疑問は残る。

1970年代か80年代に電子メールシステムが誕生して間もなく、返信メールの件名の先頭に「Re:」を自動的に付加することを誰かが思い付いたのだ。そして、電子メール送受信プログラムの機能に組み込んだ。

そうやって電子メールに利用することを最初に思い付いた人は、「Re:」のことをどう思っていたのだろうか。

なぜ、返信メールにだけ「Re:」が付くのか。

「Re:」の意味が「件名」であるなら、最初に送るメールの件名の先頭にも「Re:」を付けていいんじゃないのけ。。。

(続)

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