防衛省が谷垣に“辱しめ” 民主議員より「格下」扱い

2011.01.26

 防衛省所管の社団法人が主催した賀詞交歓会で、自民党の谷垣禎一総裁(65)が出席時間を遅らせるよう頼まれ、同省政務三役ら民主党議員と同列扱いしないよう、配慮させられていたことが分かった。主催者側から式次第の報告を受けた防衛省の意向とされる。自衛隊の行事で民間人の政権批判を封じるため、昨年11月に出された事務次官通達を盾に、防衛省が部外の行事にも介入した格好だ。

 賀詞交換会は今月19日正午から、東京・市ケ谷のホテルで開催。自衛隊OBらで構成する社団法人の「日本郷友連盟」「隊友会」「全国自衛隊父兄会」の3法人共催で、来賓として防衛省・自衛隊幹部ら約300人が参加した。

 国会議員は民主、自民、公明の3党から13人が出席。当初、谷垣氏は3法人の代表や防衛省政務三役の直後に来賓として挨拶する予定だった。

 自民党総裁室によると、会は正午スタートにもかかわらず、主催者は「12時40分きっかりに建物に入ってください」と要請。理由は「冒頭30分はセレモニー、その後政府側のスピーチがある」と説明したという。

 谷垣氏が会場入りしたときには、すでに松本大輔防衛政務官と民主党議員ら約10人の登壇・挨拶が終わっていた。

 政務三役ら民主党議員と谷垣氏の挨拶を「差別化」する狙いがあったとみられる。ある自民党幹部は「法人側から『あえて遅れてきてもらいたい。防衛省の意向』と頼まれた」と話している。

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