子ども手当停止、中小企業増税、巨額の歳入欠陥…予算関連法案成立しないと大混乱 (2/2ページ)

2011.1.24 22:46

通常国家提出の予算関連法案

通常国家提出の予算関連法案【拡大】

 税制改正法案では、企業などへの優遇税制が打ち切りとなり、景気に冷や水を浴びせる恐れがある。厳しい経営環境が続く中小企業の法人税の軽減税率を現行の18%から15%に引き下げることが盛り込まれているが、法案が成立しないと、減税どころか軽減税率の本則の22%に戻り、増税となってしまう。

 住宅購入の際に必要な登録免許税の軽減措置もなくなり、2千万円の中古住宅を取得した場合で、税負担は6万円から40万円に上がる。

 全国37路線50区間を対象に実施している高速道路の無料化実験は23年度も1200億円の予算を確保し同規模で実施する計画。関連法案はないが、予算が年度内に成立しないと、「4月からいったん停止となる可能性がある」(国土交通省関係者)という。

 最悪の事態は、赤字国債発行に必要な「特例公債法案」が成立しないことだ。予算案では、新規国債発行の9割近い約38兆2千億円に達しており、歳入総額(約92兆4千億円)の4割以上を占める。発行できないと巨額の歳入欠陥が生じ、公共事業など通常の事業の予算執行にも、「支障が出るのは避けられない」(財務省幹部)。

 野田佳彦財務省は24日の会見で、「経済が失速し国民生活に甚大な影響が出る」と危機感をあらわにしたが、ねじれ国会を乗り切る打開策はみえない。

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