県内ニュース

文化財防火デー、県内各地で防火訓練

2011年01月26日 22:41 
 文化財防火デーの26日、山形市の文翔館など県内の各施設で防火訓練が繰り広げられた。
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米沢・善光寺
文化財防火デーの訓練で放水する消防署員=米沢市・善光寺
文化財防火デーの訓練で放水する消防署員=米沢市・善光寺
 県指定文化財の木像3体を所蔵する米沢市の善光寺(酒井清滋住職)で行われた火災防御訓練には車両6台と市消防署員、市消防団員約40人が参加。境内西側の杉林に落雷があり出火、本堂に延焼の恐れがある−との想定で訓練を行った。

 119番通報を受け、消防車がサイレンを鳴らして境内に到着。手際良くホースを伸ばし、林に向けて一斉に放水。参加者は有事の手順を確認した。石川正義市消防団長は「先人が守ってきた数多くの文化財を守らなければならない。その意識で今後も訓練する」と講評した。

長井・文教の杜
 長井市の文教の杜で行われた防火訓練には市や西置賜行政組合消防本部の職員、消防団員ら約20人が参加した。

 文教の杜は「丸大扇屋」「小桜館」「長沼孝三彫塑館」の隣接3施設の総称。訓練は丸大扇屋からの出火を想定して実施。参加者たちは観光客の避難誘導、通報、貴重品の持ち出しなどを迅速にこなした。丸大扇屋ではポンプ車や備え付けの放水銃を使って放水を行い、雪がうずたかく積もる中、足場を確認しながら慎重に作業をしていた。

 「小桜館」では水消火器で消火訓練を行い、消防職員が「火事を発見したら、まず周りに大声で伝えてください」と助言していた。

山形・文翔館
消火器を使った消火訓練に取り組む職員=山形市・文翔館
消火器を使った消火訓練に取り組む職員=山形市・文翔館
 国の重要文化財に指定されている文翔館では職員や警備員、ガイドのボランティアスタッフら約30人が参加して消防訓練を行った。

 同館2階の映像ホールから出火したとの想定で職員らが大きな声で火事ぶれをし、119番通報。来館者の避難誘導を行った。消火器を使った消火訓練と放水訓練も実施。山形市消防本部予防課指導係の高橋国彦課長補佐は「災害はいつ、どこで、どのように起こるか分からない。日ごろの訓練を通じて大切な文化財を守ってほしい」とアドバイスした。

 市消防本部は既に実施した所を含め、文化財指定を受けている市内12施設で立ち入り検査や訓練を予定している。

南陽・龍雲院
 県指定文化財の絹本著色釈迦(しゃか)十六善神図がある南陽市竹原の龍雲院で行われた防火訓練には市消防団第5分団員や市消防本部職員、周辺住民など約30人が参加した。寺院の台所から出火したとの設定で訓練を行い、住民が文化財を持ち出して避難した後、消防団員らが本堂脇に勢いよく放水。参加者は身近に起こり得る火災に備え、一つ一つ手順を確認しながら防火の誓いを新たにしていた。
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