仕事が決まらず資格の勉強でもしようかと引き出しを開けると
テキストの上にPSPが載っていた

「勉強の邪魔になるから片付けたのか、さて久々にGジェネポータブルでもやるか」

スイッチを入れた瞬間、中華製のメーカー非公認な大容量バッテリーが火を吹き全身火だるまになって死んだのである

肺を焼かれ呼吸できずに窒息し脳が死ぬ間際に思った事は
なぜかマブラヴであった

死んだと思ったら、何故か医務室のベットの上で目が覚めた。

「なんだ、いったいどうなっているんだ」
「急に倒れるから心配したぞ　武」

え？

体はムキムキまっちょであり、声をかけてきた女性は
天然ではありえない形状と色をしたマブラヴ登場ヒロイン冥夜だった

しかも半透けスーツなので、チンコがむずむずする
それを自制心で抑えると冥夜に話を合わせた

どうやらここは武が来て一週間位たった世界のようである

「なんだか俺、戦術機の訓練したくなったんだが場所はどこだっけ」
「大丈夫か、頭を強く打ったせいで記憶が飛んだのか？」
「大丈夫、別に兵士級に殴られたわけじゃないんでしさ」
「そうかでは私もシミュレーターで自主的に訓練するところであった。ご随伴しようではないか」

冥夜がバストとヒップをたゆうんたゆうん揺らすのは目の毒なので
早歩きでシミュレーター室に向かうとすぐに席に座る
危なく暴発する所だったのでギリギリセーフだ

システムが起動して一番に驚いたのが
戦術機が二頭身であることだ

そして歩いているのを見て納得が行く
関節部分の強度的にずんぐりむっくりでないと折れるのだ

歩行速度を上げると関節が疲弊して煙が出る
「おい武、速度を落とすか跳躍を使え」
バディーである冥夜の機体は激震

そして仮想訓練を続けているとあることに気がついた
「支援攻撃だと？」

近接攻撃しようとすると友軍機からの支援攻撃を選択するダイアログが
表示されるのだ

「もしかして・・・」
ひたすら支援攻撃を利用しながら戦っていると
効果音と共に激震と俺のレベルが上がった

「もしかして陽炎とか不知火とか武甕槌とかラプターが開発とか設計で作れるのではないだろうか…いやそんな都合のいい話があるわけないよね」

「やった!激震のレベルが上がって陽炎とかいうのにグレードアップしたぞ！」

武in俺は調子にのってさらに陽炎・改にして、さらに不知火
不知火・一型丙　不知火二型と順調に進めた

「武、最近寝てないの？大丈夫？」
「ああ、気にするな」

筋肉を維持する程度に体を動かすがこの世界は娯楽が非常に少ないというか花札なんかやってられない、トランプもポーカーとかブラックジャックしかないので
金が掛からないシミュレーターに毎日何時間も詰めているのだ

俺自身も訓練により格闘や射撃が上がり、尚且つ覚醒が上がりまくったので
BETAの攻撃なんか避けまくりである

近接戦特化するなら武なんとかがいいそうだが整備が大変だというので
我慢して不知火を使っている

「衛士を育成して八分で死なすくらいならモビルドールでも作れよ…」

それを人づてに聞きつけた夕呼さんは
俺を論破した
「CPUに高度な処理をさせればBETAは惹きつけられてくる、それにプログラムでは対応できないのよ」
なんだ既に試したのか


パンチカードとそれを読み取る簡単な処理装置
これならBETAも寄ってこない
そしてみんなだいすき自動車爆弾である
古くなった自動車に組み込んでいって
パンチカードに刻まれたアルゴリズムで走っていき
満載した爆薬でBETAを吹き飛ばす

「それはやってみたけどBETAの密度が低いと爆破の効果が薄れるのよ、だからといって戦術機並のCPU乗せても兵士級を吹き飛ばすのがせいぜい」

どうしようもねえと思いながら
「ファントムでシミュレーターやりたいんですけど、お願いできますか」と聞くと頼みごとをする態度ではないもっとへりくだれと怒られた
「シミュレーターでのファントムの使用許可を頂けませんでしょうか副どの」
「なにいってるの別に禁止してないんだから使える筈でしょうが」
むむむ聞いてないぞ

仕方ないのでシミュレーター室に戻ってマニュアルを見ると
ロケールをアメリカにするとアメリカ製戦術機が使用できるようになるようだ
「そんな事誰も教えてくれないから判る訳ないだろう」
文句を言いながらファントムで演習を繰り返して育成である

余りにシミュレーターばかりやっているので
心配したメガネ（榊）とやきそばおっぱい（彩峰）
びっくりヘアー（御剣）と和製シモ・ヘイヘ（珠瀬）がPXで食事中に
抑えに来た

「ぐ、きさまらなにをするっ」
「うるさい、ドクターストップだ」
「武さんそんなに体を酷使して…」

おばちゃんまで最近の俺を心配してくれたが
八分でご臨終するよりはましだろう

「訓練で死んだ奴なんか居ねえよ！」
「でもでもっ」
「シミュレーターばかり乗ってて肉体の鍛錬を疎かにしているのではないか？」

皆が止めるので一日、皆と勝負をスルことになった

「武、いつの間に・・・」
格闘技能が上がっていた俺は軽く冥夜を相手する

「そんな、狙撃銃二丁でジャックポットだなんて」
どがん　どがん

「武が隊長のがいいんじゃないの」
「彩峰、俺は指揮は出来るがそれだけだ」
「武…」
そして図上演習で小隊を指揮して的確に任務遂行する俺

そうして皆に完全勝利をして部屋に戻る頃には夕方である
寝ようと思って就寝前にトイレに行くとウサギ耳の霞が掃除をしていた！
「武さん、最近冷たいです」
「なんてことだ・・・ごめんよ」
霞に謝ると用を足して部屋に戻り眠りについた

「そういえばあの犬みたいな機体ってなんなんでしょうね」
シミュレーター漬けだったので分隊のスイーツを相手してやっていると
珠瀬が今頃気づいたように言う

「あれはオルタチープ計画といってな、初期に活躍したがパイロットが犬なのだ」
冥夜が訳知り顔で話す
「宇宙開発での船外活動スーツが戦術機となったが、初期は制御が雑だったのでやたらこけていた。二足より四足のが安定しているし犬であれば訓練すれば言う事を聞くだろうと開発されたのだ」

そうか爆弾腹をくくりつけて戦車に特攻とかさせてたもんな・・・

ん？
「バクゥと言うらしいが昨今の食糧事情では犬でさえ・・・その・・・捕まえられてタンパク源となったのだ」
泣けてくるな

俺は犬への鎮魂の為にシミュレーターに設定してあったバクゥに戦場を駆け回せた
すぐにラゴウになった

格闘戦しないなら兵器プラットホームとしてはかなり優秀だろう
どうせ空は光線級が怖いから飛ばないし
跳躍程度ならバクゥ程度でもいけるだろ

犬が食われて居ないし猫もそういえば見たことが無い
この世界ではペットなどというゆとりは無いのか
これも戦争か・・・寂しい時代だと思った

夕呼さんから半導体の試作品を貰うと、ブレッドボードに電源やらIFなんかを載っけて仮組みする

「センサーの情報を処理するMPUも載せないとあかんな、よし後で戦術機の補修品ジャンクから探してくるか」

そして経過省略　ボール状のロボが出来た

「HyperAssultRoboticOrganizer 超突撃ロボ形成体　ハロだ」
なんともご都合主義的な名称だがこれには戦術機にも使われているアンチビームコーティングが施してある
「こんなでも兵士級に張り手食らったら壊れるよな・・・」

さっそく夕呼さんにシミュレーションデータに反映してもらったが
サイズ的にすぐやられる
「これは単体じゃ使えないな、支援しないと」
うまく攻撃力を調整した戦術機でBETAの体力を削ってハロで止めを刺す
主兵装はレーザーとパンチである

そうしてハロを地道に育てていると何故かXG-70になってしまった
「いったいどういう理屈なのか分からないけど使えるなら構わねえ」
XG-70というのはモビルアーマーというか戦艦のようなユニットなので
やはり直掩機として戦術機を四機ほど付ける
そしてひたすら育てると凄乃皇になった

この凄乃皇の力場収束型荷電粒子砲技術は派生して
荷電粒子砲装備型の不知火　いわゆる不知火キャノンが作れるようになったので試しに使ってみるがGジェネではゴッドガンダムwith馬を多用していた俺には相性が微妙である
「MAP兵器としょっぱい兵器だけだと育てにくいんだよなあ」

そう悩んでいる次の日は総合演習試験だ
南の島に連れて行かれてハイキングである

途中、さまざまなアクシデントがあったが
そこは持ち前の悪運で乗り切った

なんだかんだで実戦を迎えた

実機に乗って訓練中に基地に警報が流れ、夕呼さんが黒幕の自作自演が始まった

「訓練用の装備だから一旦戻らないとだめだな」
いち早く整備ベットに戻ると不知火フルアーマーに換装する
これは不知火に増加装甲と火力増強を施して物である
もちろん基地防衛なので拠点防衛出来るように考えての事だ

「武っ危ない！」
メガネ女子の榊が叫ぶ

ガガガ
増加装甲はBETAの攻撃を受け止めた
しかし衝撃を変形することで吸収するので歪んでしまう
「パージ」
いくつもあるボタンの内、パージする操作をすると機体に取り付いていた歩兵級やら突っ込んできた戦車級をまとめて吹き飛ばす
機体から前方向に向けて散弾銃をぶっぱなしたような状態だ

「さて、防御力が下がったから気を付けないとな」
ジャイアントバズーカではギリギリ倒せる
近場にいた歩兵級をいくつか倒したので強気だが
超強気になろうと闘士級を蹴散らす

そうすると歩兵の連中が無駄弾使うな　戦車級とか突撃級に使えと怒った
そりゃミンチでぐちゃぐちゃのオーバーキルばっかりしてたら無駄使いに見えるよな

しかし俺のテンションは何度も上がって超強気状態！

射程と攻撃力の伸びたジャイアントバズーカで重光線や光線を連続して
クリティカルで倒す！

しかし噴射燃料と弾薬が一気に減った
「そろそろ戻るか」
戻っても超強気を維持してもう一回出る所でBETA全滅のお知らせが流れた
見事な任務達成である

しかしスタンドプレーは現金だとメガネ女子を筆頭に小隊の連中がねちねち言ってくる
命を大切にしろだの長刀をもっと使えだの
「死の八分を超えたんだから喜べよ！」
そうしたら皆はワーと泣き出してしまった
みな死の危険を肌で感じて居たのだろう
適当に相手をしながら、今回の任務達成でラプターゲット出来ねえかなぁとCAPITALの残高に余念が無かったのである