2011年1月26日9時2分
【ワシントン=勝田敏彦】国際宇宙ステーション(ISS)に向かっている無人補給船「こうのとり(HTV)」が27日、到着する。米国のスペースシャトルや欧州の補給船ATVも近く到着して、ドッキング中のロシアの補給船プログレスやソユーズ宇宙船も含め、最大6機の宇宙船が勢ぞろいしそうだ。
ISSでは、打ち上げが遅れていたシャトルやATVのドッキングが2月から3月にかけて集中。シャトルのドッキング中にHTVが分離するとトラブルの原因になる可能性があるため、米航空宇宙局(NASA)は宇宙航空研究開発機構にHTVのドッキング期間の延長を要請した。ドッキング期間が最長で想定の2倍の60日になる可能性がある。
シャトルとHTVはドッキングする位置が近いため、ロボットアームでHTVを別の位置に仮移動させ、シャトル分離後にまた戻す作業が必要になりそうだ。
HTVは補給物資をISSに移し、30日間でごみを積み込むことを想定、電池の容量や宇宙ごみの衝突に備える防護機構などもそれを前提に設計された。
期間が2倍になっても設計は余裕があり、仮移動も想定の範囲内だが、宇宙機構ヒューストン事務所の三宅正純所長は「24時間態勢でNASAと連絡を取り、慎重に作業を進めたい」と話している。
シャトルが今年退役後、米国の民間補給船の打ち上げが始まると、今回のような混雑を避けるため、かなり調整が必要になりそうだという。