中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、イスラエルとパレスチナ暫定自治政府との会合の議事録だとする文書を新たに報じ、イスラエルによるパレスチナ武装勢力の幹部の殺害に暫定自治政府が協力していた疑いがあると伝えました。パレスチナ内部で指導部への批判がさらに高まることも予想されています。
アルジャジーラは25日、2005年10月に行われたイスラエル軍の参謀総長とパレスチナの内相との会合の議事録を入手し、この中には、イスラエル側がパレスチナ武装勢力の幹部の殺害を持ちかけたのに対し、パレスチナの内相が「部下に指示を出した。様子を見よう」と答えたと記されているとしています。武装勢力の幹部は、この会合の1か月後にイスラエル軍のミサイル攻撃で殺害されており、アルジャジーラは、パレスチナ暫定自治政府がイスラエル側に何らかの協力をした疑いがあると伝えています。アルジャジーラは、先に中東和平交渉の議事録だとする文書を伝え、パレスチナ側がイスラエルに大幅な譲歩を提案していたなどと報じており、今回の新たな報道で、パレスチナ内部でアッバス議長ら指導部への批判がさらに高まることも予想されています。これについて、イスラエルとの武装闘争を掲げるイスラム原理主義組織ハマスの幹部はNHKの取材に対し、「暫定自治政府がパレスチナ人を裏切り、イスラエルの占領に協力してきたことを裏付けるものだ」と暫定政府を強く非難しています。