「WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ」(31日、有明コロシアム)
王者・内山高志(ワタナベ)に、渡辺均会長が7回KO指令を出した。内山は25日、東京・五反田のワタナベジムで公開スパーリングを行い、世界戦で初の日本人対決に必勝を宣言した。世界戦3連続KO中の内山に対して、渡辺会長は7回KOを厳命。勝利を確信した上でKOを指令する余裕ぶりで、師弟ともにV3へ絶対の自信を見せた。
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挑戦者陣営の横浜光ジム・石井会長代行が見守る中、渡辺会長は余裕の笑みで切り出した。「今日は相手陣営の会長(代行)さんが来ているから言いにくいけど…」と前置きし、「KOは、本当は2回ぐらいと思っていたが、テレビの関係もあって7回ぐらいがいい」と遠慮なく明言した。
王座を獲得した昨年1月は12回TKO。5月の初防衛戦は6回TKOで、9月に行われたV2戦は5回TKOで勝利した。世界戦3連続KO中で、防衛を重ねていくごとにKOラウンドが早まっている。V3戦もKOの期待が高まるが、一方で早い回でのKOに“懸念”もある。
渡辺会長は、かねてテレビの視聴率を気にかけている。一般的にKO決着するような試合は視聴率が上がるといわれるものの、早い回で決着すると話は別で、そこから視聴率が下落する。充実した内容での終盤KOが理想的で、最終回の12回であれば最高の形となる。
ただ、内山自身はKOを狙わず勝利にこだわる。「僕は、いつも通りKOにこだわることはない。おまけでついてくるものだから。お客さんはKOを望んでいると思う。出来たらいいと思っている。ただ何でもいいから勝つのが大事。自信は百パーセント」と言い切った。
当初、10日に予定していたV3戦だったが、挑戦者が変更となり、31日に延期となった。精神的には不安はなく、スパーリングは予定よりも大幅に増え、150ラウンドを消化した。「(挑戦者は)同じ国の選手だから、今まで以上に絶対に負けたくはない」と、王者のプライドをのぞかせた。