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番組バックナンバー
目次 > 2011年1月25日放送の番組バックナンバー


大阪ご当地ラーメン 新聞記者が作ります!

ラーメンは今や国民食ともいわれますが、大阪には意外にもご当地ラーメンと呼ばれる
ものがありません。そんな中、ラーメンをこよなく愛する新聞記者が集まって、
「大阪ラーメン」をつくりました。いったいどんな味なんでしょうか。

美味しそうに麺をすする人達。彼らはただのラーメン好きではありません。
「甘辛って感じは出てたよな。8割ぐらいはほぼ完成だろうな。」
実は彼ら、「産経新聞ラーメン部」の記者たちなんです。

 


産経新聞の大阪本社。「ラーメン部」は去年4月に発足しました。
その目的は記事を連載しながら「大阪のご当地ラーメン」を作ることです。
「本当に素朴な疑問から始まった。大阪にご当地ラーメンってあったっけ?みたいな、
そういやないよなって話になって、じゃあなんでないんやろ?って話を取材したら、
おもろい記事が書けるんちゃうかって。
ご当地ラーメンがないんやったら、作ってみたらどうやろ、
どんなラーメンができるんやろって。」(白岩賢太記者)

ラーメンブームと言われる中、人口10万人当たりの店の数で比較すると、
大阪は47都道府県の中で最下位。東京の半分以下しかないんです。
そこで、産経新聞ラーメン部では記者たちが「大阪ならでは」のラーメンを作ることに
しました。とはいえ、記事を書くのが専門で、調理に関しては素人という記者たち。
大阪の有名ラーメン店「カドヤ食堂」に協力してもらうことになりました。

 


「自然とできていくものだと思うので、安易な形では私はもう絶対受け入れられないと
思ったが、ラーメンが大阪を元気にするお手伝いができればいいことだと思う。」
(カドヤ食堂店主・橘和良さん)
大阪湾でとれた舌平目をスープのダシに用いるなど、記者たちが出したアイデアをもとに、
店主の橘さんが職人の技を駆使して調理してくれます。
コンセプトは大阪らしいダシのきいた「甘辛」。
「ちょっと生臭いっておっしゃってたんですけど…」(中井美樹記者)
「生魚っぽいところが残ってる干物なんですよ。舌平目の割合を減らして、
イワシとか従来の煮干しを混ぜていかなあかんのちゃうかな」(橘さん)

そして、迎えた試食会の当日。
「ラーメン界の鬼」と言われ、テレビ番組にも度々出演している佐野実さんも参加して
行われました。さて、そのでき栄えは?
「う〜ん…難しいね。大阪人はこれをラーメンと認めるのか?
うどんとラーメンの中間みたいな感じでしょ。中途半端な味はダメなんだよ絶対に。」
(佐野実さん)
一方で、トッピングとして添えられた大阪産の菊菜については。
「春菊は独特の臭みがあるんだよ。東京のやつは。でも大阪のはない。
これはいい薬味だ。問題はスープと麺」(佐野さん)

記者たちが試行錯誤を重ね作り出した一品でしたが、ラーメン道は予想以上に険しく、
試食会のたびに「ダメ出し」の連続となりました。
「『甘辛』っていうコンセプトは出てた。」(白岩記者)
「菊菜がおいしかったです。茎の食感をメンマと見立てて、
葉と茎部分を分けて入れてくれて、食感に関してはそれで楽しい。」(中井記者)

 


大阪ならでは、にこだわるラーメン作り。
大阪は菊菜の生産量が全国で2位。大阪人には欠かせない人気野菜です。
ラーメン部員が菊菜の魅力を聞きだします。
「試食会でも菊菜が好評というか、スープに合うというか。」(藤谷記者)
「若い状態でとってるから、やわらかくて、そんなにえぐみも少ない。
生で食べやすい菊菜やということ。それとラーメンと合うんかな。」(農家の西野孝仁さん)

取材をしていくうちに、これまで気づかなかった大阪の食文化が見えてきました。
「大阪の人って、色んなものを無駄なく使う。東京の人に伝えると大阪人はケチだな
みたいなことを言うが、そうじゃなくって、それは大阪人の工夫であり、知恵であり、
誇ってもいいところだと思う」(中井記者)

橘さんは前回の試食会の反省点を活かし、スープと麺に改良を加えていきます。
「大阪の人の好みとかいろいろ、麺の太さとか、きつねうどんのあげさんのだしの甘さが
こびりついていたが、ラーメン屋としての甘さ出し方、そういうアプローチの出し方を
今やっています。」(橘さん)
スープにはアジやイワシ、豚足を新たに追加し、旨味を引き立たせ、
麺には「ロイヤルストーン」という香りのいい小麦をブレンドしました。

そしてむかえた試食会当日―
「やるだけのことはやりました。」(カドヤ食堂店主・橘さん)
いよいよラーメンが運ばれてきます。
今回のスープはみりんを一切使わず、素材の甘味だけにこだわりました。
また泉州の玉ねぎをトッピングに加えました。

 


「食べるのが怖いね…」(佐野実さん)
固唾をのんで見守るラーメン部員たち…。
「どうですか?皆さん。僕はこれでいいと思います。やりましたね。
ちゃんとラーメンだよ!新しい大阪のラーメンだ!」(佐野さん)
10ヵ月かけて完成した「究極の一杯」。記者たちの顔に笑顔があふれました。
「ラーメンで大阪の食が、見えてきたのが面白かった。」(中井記者)
「僕らが想像していたコンセプトに近いラーメンはできたのかな。達成感はあります。」
(白岩記者)

 


ラーメンは連載記事のタイトルから「それゆけ!大阪ラーメン」と名付けられました。
果たして、大阪のご当地ラーメンとなれるのでしょうか。

2011年1月25日放送

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