携帯電話のゲームサイトで知り合った女子中学生に脅迫文を送り、自宅に放火して全焼させたとして、現住建造物放火や脅迫、強姦(ごうかん)などの罪に問われた元龍谷大学生、亀山祐輔被告(23)=大阪市城東区=の裁判員裁判で、大阪地裁堺支部(飯島健太郎裁判長)は22日、求刑通り懲役18年の実刑判決を言い渡した。
亀山被告は判決直前、賠償金を支払うことで被害者側と刑事和解が成立したが、飯島裁判長は「懲役20年近い刑も考えられる事案だ」と異例の説明をしたうえで「刑事和解を考慮しても懲役18年が相当」と判決理由を述べた。
判決によると、亀山被告は07年8月、当時12歳だった女子生徒と携帯電話のゲームサイトで知り合った。その後、性的暴行を加えたうえ脅してわいせつな写真を携帯電話にメールで送信させるなどした。09年に女子生徒が警察に相談したことを知ると、女子生徒の自転車の前カゴに脅迫文を入れ、大阪府内で女子生徒の住むアパートに相次いで2回放火、2回目の放火で全焼させた。
飯島裁判長は「女子生徒の苦痛、恐怖、屈辱は甚大。心の傷が将来まで残ることが懸念される。最初の放火は深夜で発見が遅れれば命を奪われた。女子生徒を長期間苦しめた犯行は卑劣で悪質」と指摘した。
裁判員を務めた50歳代の男性は判決後、記者会見で「私にも娘がいる。被害者の心情が分かる」と語った。【山田英之】
毎日新聞 2010年11月23日 大阪朝刊