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放火:住宅火災、4人死亡 容疑で次男を逮捕--福島

 31日午前2時45分ごろ、福島市伏拝(ふしおがみ)の会社員、西沢博幸さん(56)方から出火、木造2階建て住宅延べ約90平方メートルを全焼し、1階の焼け跡から4遺体が発見された。西沢さん方は6人家族で、県警は、連絡が取れない4人とみて身元確認をする一方、西沢さんの次男(21)が放火を認めたため、現住建造物等放火容疑で逮捕した。

 県警福島署によると、行方が分からないのは1階に寝ていた西沢さんの父広治さん(89)▽妻貴子さん(58)▽三男(19)と、2階で就寝中だった長女(29)。西沢さんは2階にいたが、電信柱を伝って逃げ、煙を吸い込むなどしたが命に別条はないという。

 次男の逮捕容疑は同日未明、自宅1階の居間に干していた洗濯物にライターで火をつけ、住宅を全焼させたとしている。「自分で火をつけた」と容疑を認めた。次男は30日午前、「カラオケに行く」と言って外出し所在が分からなくなっていたが、市内で無事が確認され、同署が事情を聴いていた。背負っていたリュックにはライターが入っていたという。

 近所の住民らによると、広治さんと貴子さんは脳梗塞(こうそく)で歩行が不自由で、同居の子たちには知的障害があったという。

 長女と三男はNPO法人の作業所に通い、午前9時から約5時間、箱折り作業をしていた。次男も5月まで通っていたが、「自分に合わない」と辞めた。9月初めから3カ月間は、別のNPOの就労支援施設でそば店の配膳などをしていたが、そこも辞めたという。

 一方、30日に広治さんがタクシーで訪れたという近くの理容店の60代男性は「入退院を繰り返していたので、病院から来たようだった」と話した。貴子さんも外出はタクシーを使い、近くの美容院の稲沢敏子さん(79)は「お母さん(貴子さん)は自分が具合が悪いので、娘が洗濯を手伝ってくれると喜んでいた」と落胆していた。【蓬田正志、金寿英、長田舞子】

毎日新聞 2011年1月1日 東京朝刊

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