振り込め詐欺犯から現金を横取りしたとして、愛知県警瀬戸署は12日、秋田県湯沢市荒町の無職、伊藤広和容疑者(31)を電子計算機使用詐欺と犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕した。自分の銀行口座を不法に売却した後、この口座に入金された金をインターネットバンキングで他口座に移し、横取りしていたという。
容疑は10年3月中旬、大手銀行の通帳とキャッシュカードをインターネットで知り合った相手に2万5000円で売却。数日後、愛知県瀬戸市の50代女性が振り込め詐欺にだまされてこの口座に振り込んだ約143万円を、ネットバンキングを使って別の口座に振り替えたとしている。「生活費が欲しかった」と容疑を認めているという。
瀬戸署によると、伊藤容疑者は通帳などを売る前にネットバンキングに申し込み、ネットで口座にアクセスできる状態にしていた。入金があれば電子メールで通知されるよう設定もしていたという。口座が振り込め詐欺などの犯罪に悪用されることを知りながら、売却したとみられる。【秋山信一】
毎日新聞 2011年1月12日 21時14分