足に障害があるように装い、札幌市から介護保険法に基づく訪問介護費などを不正に受け取っていたとして、北海道警は13日、札幌市の訪問介護事業所を経営していた元道職員、小杉田光雄容疑者(75)と、元ヘルパーの佐藤美佐子容疑者(57)を詐欺容疑で逮捕した。2人がだまし取った給付金は総額約4000万円に上るとみられる。
道警などによると、小杉田容疑者は自力歩行できるのに、障害者自立支援法や介護保険法の適用を受け、自身の介護事業所を通じヘルパー派遣費などを不正に受け取っていた疑いがある。佐藤容疑者は市に、小杉田容疑者が歩けないなど虚偽の説明をしていたという。詐取は08年までの十数年間にわたり、道警が裏付けが取れたとする06~08年の給付額三百数十万円分が逮捕容疑になっている。
小杉田容疑者は道庁を退職後に訪問介護事業所を開設。95年に身体障害者手帳で歩行不能とされる最も重い1級を取得し、06年には介護なしに日常生活ができない要介護度4と認定されたが、08年に買い物袋を持って歩く姿を市職員が撮影。09年2月に市が告訴していた。【吉井理記、片平知宏】
毎日新聞 2011年1月13日 11時39分(最終更新 1月13日 13時13分)