徹底調査! 
中国に買われた「日本の一流企業」86社あの国には明確な狙いがある
時価総額で1兆5000億円

2011年01月25日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 OD05の調査・分析を続けているちばぎんアセットマネジメント顧問の安藤富士男氏も「OD05は中国の政府系ファンドと見て間違いない」と言う。

「去年の3月まではファンド名にチャイナという言葉があったのに、いまはそれが外れている。中国政府が日本株を買い漁っていると知れれば、日本国内でハレーションが起こる。それを避けたかったのでしょう」

 さらに安藤氏はこのファンドの「特異さ」を次のように指摘する。

「中国政府は'08年頃に『将来は幅広く日本企業株を買い進めたい』と発表、その時期からOD05の名前も出てきた。'09年3月期末には日本株13銘柄、時価総額で1560億円ほど投資していたが、1年後には35銘柄同約6240億円、さらに半年後には86銘柄、同1兆5000億円ほどに投資を激増させている。まだ表には出てきてないが、水面下でほかにも多くの日本株を買い進めている可能性は非常に高い。

 大株主になれば議決権が行使でき、役員の選任などでも意見を言うことができる。それなのにこのファンドはまだ、企業に対して注文を出したり、アクションを起こしたりしていない。いつ物言う株主としてその本性を現すのか、非常に不気味なんです」

狙いはロボット、金融、原子力

 チャイナファンドは何をしようとしているのか---。市場関係者の間では様々な憶測が語られているが、実はその投資先をきっちり調べると、ある「明確な狙い」が見えてくる。

 OD05をウォッチし続けているビジネス・ブレークスルー大学(通信制のオンライン大学)教授の田代秀敏氏がこう指摘する。

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