福岡女性連続殺傷:強盗殺人罪などで死刑求刑 福岡地裁

2010年11月27日 10時11分 更新:11月27日 10時23分

 福岡市で08年、女性2人が襲われた連続殺傷事件で、強盗殺人罪などに問われた同市中央区草香江、無職、野地卓被告(25)の論告求刑公判が26日、福岡地裁(松下潔裁判長)であった。検察側は「通り魔的に無差別に被害者を狙い、人間性のかけらすら見いだすことができない」とし、死刑を求刑した。弁護側は最終弁論で殺傷行為時の責任能力を否定し、強盗未遂罪にあたると主張した。判決は2月2日に言い渡される。

 検察側は論告で「更生の可能性を認めることはできず、更に被害者を出していた可能性もある」と指摘。死刑選択の基準「永山基準」に照らした上で「亡くなった被害者は1人だが、反社会性の大きさは際立っている」と断罪した。

 これに対し、弁護側は最終弁論で「ナイフを突き付けた被害者がすぐにバッグを出さなかったことなどに動揺し、野地被告がパニックに陥った」と反論し、有期刑を求めた。

 起訴状によると、野地被告は08年3月25日、福岡市城南区鳥飼で、30代の女性会社員に果物ナイフを突き付け現金を要求。応じなかったため、胸や腹などを突き刺し重傷を負わせた。また、同4月14日には、同市早良区西新で、女性(当時78歳)から金を奪おうと果物ナイフで首などを多数回刺し失血死させた。

 野地被告の責任能力については、検察側が実施した精神鑑定でも、弁護側の求めで地裁が実施した鑑定でも責任能力が認定されている。【岸達也、関谷俊介】

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