中国:米韓演習「容認」 「排他的経済水域内反対」に後退

2010年11月26日 21時31分 更新:11月27日 0時41分

北朝鮮の砲撃で破壊された建物。火災で焼けこげた跡が見られた=韓国・延坪島で2010年11月25日午後5時9分、矢頭智剛撮影
北朝鮮の砲撃で破壊された建物。火災で焼けこげた跡が見られた=韓国・延坪島で2010年11月25日午後5時9分、矢頭智剛撮影
韓国・延坪島で、北朝鮮による砲撃を受けた村を視察する在韓米軍のシャープ司令官=2010年11月26日、ロイター
韓国・延坪島で、北朝鮮による砲撃を受けた村を視察する在韓米軍のシャープ司令官=2010年11月26日、ロイター

 【北京・米村耕一、浦松丈二】北朝鮮による黄海・延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件を受け中国外務省は26日、黄海で28日から4日間、予定されている米韓合同軍事演習について、「中国の排他的経済水域(EEZ)内での軍事演習に反対する」と発表した。これまで黄海での演習に一貫して反対してきたが、反対をEEZ内とすることで事実上、演習を容認したとみられる。一方、北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は26日、米韓合同軍事演習を非難し、「北南関係は戦争前夜の険悪な域へと突っ走っている」と警告した。

 中国外務省の洪磊副報道局長は談話の中で、「いかなる側(国)も、中国のEEZ内で許可なく軍事行動を行うことに反対する」と表明し関係国に平和と安定のため冷静な行動をとるよう求めた。これまで中国は黄海での演習自体に反対してきた。

 北朝鮮をけん制するため米韓両国は28日から12月1日まで、合同軍事演習を実施することにし、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)配備の原子力空母ジョージ・ワシントンも現地へ向かっている。

 一方、中国外務省によると、楊潔※(よう・けつち)・中国外相は26日、北朝鮮の池在竜(チジェリョン)・駐中国大使と会談したほか、韓国の金星煥(キムソンファン)外交通商相、米国のクリントン国務長官と個別に電話協議した。北朝鮮の砲撃事件後、中国と米朝韓の高官協議が確認されたのは初めて。

 また、在韓米軍のシャープ司令官は同日、延坪島を訪れ、「(砲撃事件は)明白な朝鮮戦争休戦協定違反だ」と述べた。

 ※は竹かんむりに褫のつくり

top

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド