広島県の湯崎英彦知事と広島市の秋葉忠利市長の「トップ会談」が26日、県庁で開かれる。最大の焦点は、市が市営存続の方針を決めた県営広島西飛行場(西区)の対応。2011年度当初予算編成が大詰めを迎える中、県市で赤字を折半してきた管理運営費や敷地の大半を占める県有地の取り扱いで合意を目指すが、調整が難航する可能性が出ている。
西飛行場を市営化する場合、大半が県有地である敷地などの県有財産の引き継ぎや、市営化後の管理運営費の負担方法を決める必要がある。
市営化すれば市には、年間2億〜3億円台の管理運営費に加え、滑走路の改修費約40億円などの財政負担がのしかかる。このため市は、県有地の無償貸与とヘリポートとして活用する部分の管理運営費を、県に負担するよう求めている。
県は、県有地の無償貸与を視野に検討を進めている。一方、財政健全化の観点や県議会の意向を踏まえて慎重に判断する構えも崩していない。管理運営費の負担割合も同様だ。
市営化を主導した秋葉市長は4日、今期限りでの退任を表明。市議会には「新市長が判断する問題」として市営存続に賛否両論がある。市は、2月15日開会の市議会定例会に存続に向けた設置管理条例案を提案する方針だが、可決されるかどうか不透明な情勢で、県と市の調整が難航する一因とみられている。
また、トップ会談では福祉医療費負担の補助率も議題となり、11年度以降も協議を継続する方針を確認する見通し。県は、福祉行政で政令指定都市が同等の権限を持つことを理由に、県内23市町のうち広島市だけ補助率を引き下げる方針だったが、昨年1月のトップ会談で湯崎知事が方針を撤回し、協議継続で一致していた。
このほか、産業廃棄物の出島処分場(南区)▽二葉の里地区(東区)で計画する治療拠点「高精度放射線治療センター」(仮称)▽国内外の著名アーティストを招く県の平和コンサート構想―も議題となる。
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