このたびは、本サイトがcampfireと類似しているというご指摘を受けました。この点につきまして、デザインが類似しており、campfireの関係者に対しまして御不快な思いをさせてしまったことを深く謝罪し、恥じ入るばかりでございます。
このサービスについては、数年前より構想がありました。
最初は、3年ほど前マイクロファイナンスの仕組みを見たときです。マイクロファイナンスによって、いままで自立できなかったひとが自立できているという話をきいて、非常に共感をうけました。そして、なんなら貸付ではなく、必要なところに個人が直接お金を渡したほうがもっといいのではと考え始めました。不透明なNPOなど経由ではなく、必要な個人に必要なお金が善意であつまる仕組ができたらばきっとすごいことになるだろうと考えたのです。
マイクロファイナンスでは、対象が発展途上国ではありますが、違う形もありえるのではと思いました。類似の考え方はなかったので、はたしてこのようなモデルが成立するのかどうか、常に考えていました。
ちょうどそのときから、私はアーティストやアート関係者と交流をもつようになり、アーティストの制作にかける思いと、資金難の状況についてもいろいろな話をききました。
作品制作・パフォーマンスをやるために、アルバイトやキャッシングをして自分ですべてを抱え込んで制作をしている人もいます。この仕組みは、面白いアイデアをもっている人にとっては、直接的に制作を助けるものになるのではないか、と考えました。
また、私は10年ほど前から登山をします。わたしがやるのは冬期の厳しい登山ではありませんが、植村直己氏や山野井泰史氏の話をきいてとても感銘をうけました。最近では気球の神田道夫さんの話を読みました。栗城史多氏にも登山にかける思い、まわりの皆さんが栗城さんを支えみんなで登山をしている姿に感銘をうけています。個人の小口の力をあわせることで、さらに多くの思いのある方を頂上に導けるのではないかと考えるようになりました。
そして究極は、へんかも知れませんが数学です。アメリカにはクレイ研究所という民間の寄付金で成立している数学の研究所があります。数学はすぐには社会の役にはたちませんが、人類の知の探究の究極の姿だと思うのです。すぐに社会の役にたたないものを追求するものにこそ、政府の力ではなく、思いを一緒にする個人のお金の力で支援できればと思うのです。もちろんこの分野はすぐには変わってはいかないとは思いますが、1万人が1万円づつ出し合ってできた数学基金などを作れる世の中になるというのが、私のひとつの夢です。
そう考えているうちに、米国では、Kickstarterという先行事例がでてきました。これをみて、このようなモデルが成り立つんだということに確信を得て、これを日本でも始めようと思ったのです。
昨年より立ちあげ準備をしていましたが、年初にcampfireがサービス宣言をしたのをみて、正直焦りました。私たちも、このような仕組みに取り組んでいることを早く知ってもらおうと、取り急ぎ急いで昨日準備サイトを立ち上げました。しかしながら、デザイナーが先行するものを参考にするあまり、類似するものを作ってしまった次第です。
これにより皆様からご指摘を頂戴することとなり、campfire関係者にもご迷惑をおかけしてしまいました。またプロジェクトでお声をかけている方にもご迷惑をおかけしてしまいました。真摯に反省しています。
またサービス内容が似ているという指摘も受けました。これについては、kickstarterという先行事例を下敷きにしている以上、このモデルをとるところはサービス内容や基本ビジネスモデルにおいて同じようになってしまうのは否めません。
ただ、わたくしがこのサービスを立ち上げようとおもった経緯はお話したとおりでございます。
何かを始めたいというひとを個人が応援することが当たり前になる、自分のアイデアや夢を恥ずかしがるのではなくて、堂々とプレゼンして、みんながそれを応援して実現する、そんな社会がやってきたら、本当に楽しくて仕方がありません。
私はそれを実現したくサービスを始めようとしていますが、私の思いは、このような仕組みが世の中にできて、それが当たり前になるということです。
今回のご迷惑で、私が不適任ということであれば、他のかたがこれを実現するのを待ちたく思いますし、引き続き応援いただけますようでしたらば、みなさまのお力添えをいただきたく存じます。
プロジェクトリーダー 大石哲之