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国際情報

 世界最強の軍事大国が、「カード」を切る日が近づいてきているのか。「アメリカは今年中にも戦争を始めるのではないか」――こうした言説が、各国のメディアや研究機関から続々と発せられ始めている。

 背景にあるのは、米国経済の惨状である。大幅な金融緩和によって株価こそ回復基調にあるものの、過去最長2年3か月連続の財政赤字が続き、貿易赤字も拡大の一途で底が見えない。極めて単純化した構図でいうと、この状況下で、「不況になると戦争を始める」米国が動かないはずがない、というのがその論拠だ。

 歴史をひもといても、苦境にあった米国経済を好転させてきたのは「戦争」だった。古くは第一次世界大戦によって、大恐慌から劇的に立ち直った。近年では、1987年の「ブラックマンデー」を契機とする経済悪化後の91年に湾岸戦争、2001年のITバブル崩壊後の2003年にはイラク戦争が起こされた。

 そして今、「行き詰まった現状を打開するために、米国が新たな戦争を始める可能性は否定できない」と指摘するのは、ワシントン大学国際センター上級研究員のレスリー・ヘルム氏だ。

「オバマ大統領は、アフガニスタンからの米軍撤退を今年7月に開始すると表明しています。米国の軍需産業は多くの新型兵器を開発・使用したが、戦争が終われば作った兵器がだぶついてしまう。とすれば、“次の戦争”が必要となってくる」(ヘルム氏)

 軍需産業は米国経済を支える最大の柱である。米国の軍事費はGDPの4.3%の6800億ドルに達し、世界全体の軍事費の約45%を占めているとされる。とくに最近10年間の伸びは著しく、2001年の同時多発テロ事件以前は2900億ドルだった軍事支出が、2005年には5000億ドルと70%も増加。以後、毎年のように増額され、ゲイツ国防長官は2011年度の予算として7800億ドル(約65兆円)を要求している。

 膨大な軍事予算を投じて武器を開発し、自ら使用することで“宣伝”し、それを世界に売る。そうやって自国経済を支え、それなしには国が立ち行かない。“軍産複合体”が米国を動かしているといわれるゆえんだ。

※週刊ポスト2011年2月4日号

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