桑名市は24日、地域医療の再生と医療機関の機能強化などを目的に政府が実施している「地域医療再生基金」からの財政支援が得られるよう、取り組んでいく方針を市議会福祉安全委員会協議会で明らかにした。同市が現在、調査を進めている市民病院と民間の山本総合病院(同市寿町)との統合を前提にした支援で、担当者は「統合後の病院の借金を少なくするために必要な支援。統合が破談した場合は取り下げる」などと説明している。
同市によると、基金の総額は2100億円で、都道府県と一部の地域に一律で15億円、そのうえに高度・専門医療機能を担う医療機関の整備や拡充などの大規模事業に総額1320億円が加わる。今回の基金は、都道府県単位の3次医療圏計画を支援するもので、今月末に開かれる「県医療審議会地域医療対策部会」に出席し、桑名市の計画を説明し、県の地域医療再生計画に盛り込んでもらう。
両病院の統合を巡っては一昨年、政府の同基金からの支援を求めたが、政権交代のため補正予算が見直され、支援が得られずに統合が白紙に戻った経緯がある。【沢木繁夫】
〔三重版〕
毎日新聞 2011年1月25日 地方版