平成15年11月20日
「中間試験問題」
以下の設問に回答してください(講義で説明した内容を中心に回答してください)
1. 偏位法と零位法について
(1)測定法の原理は、偏位法と零位法の二つに分類できる。それぞれは、どのような測定法か、例をあげながら説明してください。
(2)偏位法に比べて零位法の精度が良いとされる理由を説明してください。
2. オシロスコープに関して
(1) 観測したい信号の周波数が高くなるほど、精度よく測定することが難しくなる。どのような性能限界があるか説明してください。
(デジタルとアナログの両方のオシロスコープに共通する性能項目(アナログ回路の性能)と、デジタルオシロスコープ固有の性能項目(デジタル回路の性能)の各々について説明してください。)
(2)入力プローブ(10:1プローブ)は何のためにあるか?(プローブおよびオシロスコープの入力回路、ケーブルを含む測定回路の等価的な回路図を示して説明してください。プローブを使った場合と、使わない場合で、矩形波を観測した場合、どのような違いが現れるか? また、何故そうなるか?)
(3)オシロスコープで、正弦波や矩形波などの繰り返し波形を観測した場合、波形が静止して観測できる。どのような仕組みで、静止した波形が観測できるのか説明してください。
(4)AD変換回路の原理を、例をあげて説明してください。
3.信号源インピーダンスに関して
(1) 信号源インピーダンスとは何か?テブナンの定理に基づいて説明してください。
(2)電圧計および電流計の内部抵抗は信号源抵抗に対して、どのような条件が成立していることが望ましいか。
(3)誘導雑音の影響を受けにくくするためには、信号源インピーダンスがどうなっていることが望ましいか。理由を含めて説明してください。
(4)有能電力と信号源インピーダンスの関係を説明してください。
平成16年1月29日
「期末試験問題」
1.図1(a)の電子電圧計について以下の問いに回答せよ。
(a)入力抵抗がRin=100kΩ、測定レンジが1mV,10 mV, 100mV,1Vの4段切り換えの電圧計を構成するには、抵抗R1,R2,R3,R4を幾らに選べばよいか。ただし、増幅器の入力抵抗RIは無限大と見なせるものとする。
(b)この電圧計を用いて、図1(b)の回路の電圧Exを測る。このとき、電圧計の読みは幾らか(負荷効果による
電圧測定の誤差はどのくらいか)。
2. 図2は変成器ブリッジ(ハーフブリッジ)を用いたインピーダ
ンスの測定回路である。
(a)測定原理を説明せよ。
(b)他の方式に比べて、どんな点が優れているか。
3. 図3はDMM(デジタルマルチメータ)に用いられている抵抗測
定回路である。
(a)抵抗測定の原理を説明せよ。
(b)DMMは現場用の測定器であり、高精度な測定には向いていない。どのような測定誤差が発生すると考えられるか。
4. 交流電力の測定法について以下の問いに回答せよ。
(a)図4の電流力計を用いて、負荷の消費電力を測定したい。電流力計を負荷と電源にどのように接続すればよいか(電源、負荷、固定コイル、可動コイル、倍率抵抗等の接続方法)。また、電力の測定原理を説明せよ。
(b)デジタルサンプリング方式の電力測定法の原理を説明せよ。
5. 内部クロックf0=10MHzのユニバーサルカウンタを用いて,f=10kHzの信号の周波数を測定する。次の(a),(b)の各々の方式の±1カウント誤差を求めよ。
(a)測定時間1sにわたって測定信号のパルス数を計数する(直接計数方式)。
(b)測定信号の100周期に含まれる内部クロックのパルス数を計数する(レシプロカル方式)。