平成16年11月22日
「中間試験問題」
解答に当たっての注意:最終的な答えだけでなく、途中の考え方や理由を含めて説明してください(論述形式の回答を求めています)。
1. ばね秤と天秤の二種類の方法で重さを測る。
(1) 2つの測定法の原理を述べよ。
(2) 各々の測定器の測定精度は、何によって決まるか(例えば,非常に軽い物体の重量をはかる場合、どのような制限を受けるか)。
2.遮断周波数(アナログ帯域幅)fc=250MHz,サンプリング周波数fs=1GS/s(1GHz),量子化ビット数8ビットのデジタルオシロスコープを用いて信号を測定する。
(1)f=2.5MHzとf=250MHzの二つの周波数の正弦波を観測する。各々の周波数における正弦波電圧の測定精度はどれくらいになるか(精度の決定要因について考察せよ)。
(2)オシロスコープの理論上の立ち上がり時間はどれぐらいか。また、f=2.5MHzとf=250MHzの二つの周波数の矩形波を入力した場合、おおよその観測波形を図示せよ。
(3)オシロスコープの入力プローブ(10:1減衰プローブ)は何のためにあるか。入力プローブを使わないと、どんな弊害があるか。
(4)オシロスコープのトリガレベル調整が悪いとどのようなことになるか。トリガ回路の原理やしくみを含めて説明せよ。
3.電源を含む回路の端子間電圧をオシロスコープで測定する。
(1)測定対象となる回路を等価回路で表して考える。等価回路の電圧源電圧と信号源インピーダンスの求め方を説明せよ。
(2)精度の良い測定を実現するためには、測定対象回路の信号源インピーダンスやオシロスコープの入力インピーダンスに、どのような条件が要求されるか。
4.オシロスコープで微小電圧を測定しようとしたところ、雑音が重畳してしまい測定が困難になった。
(1)考えられる雑音の発生原因を列挙せよ(内部雑音と外部雑音の各々について例をあげて説明せよ)。
(2)外部雑音が混入する経路について述べよ。また,外部雑音の混入を防ぐには,どんな対策が考えられるか。
平成17年1月31日
「期末試験問題」
1. 電圧計の負荷効果について以下の設問に答えよ。
(a)図1(a)のように、電源電圧E0,電源抵抗R0の電源の端子電圧Vを、内部抵抗RVの電圧計で測定する。負荷効果による電圧
測定の誤差はいくらか。
(b) RV=100kΩの電圧計を用いて、図1(b)の端子電圧を測定した場合の、電圧測定の測定誤差はいくらか。
2.単位と標準について以下の設問に答えよ。
(a)力学系の3つの基本単位をあげよ。また、各々の単位の定義(標準量の提供方法)を述べよ。
(b)電気系の基本単位である電流の絶対測定の方法を説明せよ。
3.図2の数百MΩオーダの高抵抗Rxを測定したい。
(a)通常の電圧電流計法で測ると、どんな問題があるか。
(b)上記の問題を回避するために、電圧計、電流計、
電源、シールドケース、をどのように接続すればよいか、接続方法を図示せよ。
(c)測定の原理、考え方を説明せよ。
4.図3はコンデンサのインピーダンスを測るためのシェーリングブリッジ回路である。ここで、測定したいコンデンサのインピーダンスを、図中の抵抗Rxと静電容量Cxの直列等価回路で表している。
(1)ブリッジの平衡条件式を示せ。
(2)C2=0.01μF、C4=1μF、R1=100Ω、
R2=500Ωの時にブリッジの平衡がとれた。
静電容量Cx、直列抵抗Rxの値はいくらか。ただし、交流電源Eの周波数は
1000Hzとする。
5.交流電力測定について以下の設問に答えよ。
(a) 有効電力の定義を示せ。
(b) 有効電力の測定法にはどんな方法があるか。3つ以上の方法の原理、特徴を示せ。