[中間試験問題解答]
1.
(1) 指示計器(偏位法)の長所短所
長所:電圧を直読することができる。測定時間が短い。
短所:指示値の読み取り誤差、指示量と測定量の比例関係(測定電流と可動コイルの回転角の比例関係)が正確でないことによる誤差の影響を受ける。負荷効果による誤差を受ける、などの理由により精度は劣る。
電位差計(零位法)の長所短所
長所:測定精度は、検流計の感度と標準電圧(基準量)の正確さで決まる。平衡したとき、被測定回路から電流をとらないため、負荷効果がゼロの測定ができる。以上のことから測定精度が良い。
短所:平衡をとる操作が必要、測定に時間がかかる
(2)電流が電気量の基本単位として使われている理由
測定方法:無限小の円形断面をもつ無限長の2本の導線を1mの間隔で平行に配置する。2本の導線に電流を流した時、導体の1m当たり、2×10-7Nの力を及ぼし合う電流を1[A]と定める。
理由:単位は、基本となる単位(時間、長さ、質量、力)から出発して、他の単位を順番に定めていかなければならない。電流は力学系の基本となる単位(長さと力)だけをもとにして電流を定めることができる(このような測定を絶対測定という)。すなわち、電気量の単位を使わなくて測定できる)。このために、電気量の基本単位として使われている
2.
(1)Rg=(2//2)+1=2 k Ω Es=10x2/(1.5+2+0.5)=5V

(2) 測定電圧:V= V0×10/12=5/6=4.17V
誤差 ΔV=V−V0=4.17-5=-0.833 V
誤差率 ε=| (V- V0)/ V0|=| (1-10/12) |=16.7%
3.
(1) 図の通り。

(2) 外部雑音:@漏れ電流雑音(導電電流:漏れ抵抗を解して混入)、A静電誘導雑音(静電界:浮遊容量を介して混入)、電磁誘導雑音(B近傍電磁界:漏れインダクタンスを介して混入、C遠方電磁界:電磁波の混入)、
内部雑音:@抵抗の熱雑音、A半導体のショット雑音、B熱起電力、C接触電位差
(3) @シールド(静電シールド、磁気シールド、漏れ電界、漏れ磁束の混入を防ぐ)、Aアース(コールド端子の電位を等しくすることによりコモンモード雑音をなくす)、B漏磁界の混入を防ぐための信号線の工夫(より線、同軸ケーブル)
4.
(1)(a)反転増幅回路
I1=Vi / R1, Vo = I2R2, I2 = I1より、

(b)積分回路
Ii=Vi/R 、Vo= (1/Cf)∫If dt、I2 = I1より

(c) ボルテージフォロア

(2)
(a)反転増幅回路: 入力電圧を反転させて所定の倍率(-R2/R1倍に)で増幅する。
(b)積分回路:入力電圧の積分結果を出力する
(二重積分型AD変換回路のような積分演算が必要な回路に使われる)。
(c)ボルテージフォロア:高インピーダンスを低インピーダンスに変換する(例えば、電源に負荷抵抗を接続したときの影響(負荷効果)をなくすためにボルテージフォロアを間に入れることにより、負荷の影響を受けない。あるいは、雑音の影響を小さくするために低インピーダンスに変換する目的で使う。)
5.

(1) 下図のとおり。
(2)
@ 最初のT1秒の間:+Es 側にSWを入れる。
A その後、-Es 側にSWを入れる。同時に、カウンタのカウントを開始する。
B 積分器の出力が0になったら、カウンタをストップする。
C カウンタの値から T2 を求める。式(1)から、Exを求める
