平成19年11月19日
1.以下の設問に解答せよ。
(1) 指示計器と電位差計の各々は、偏位法と零位法のどちらの原理に基づいた方法か。また、各々の長所、短所を説明せ よ。
(2) SI単位系において電流が電気量の基本単位として使われている理由を説明せよ(単位を定める方法を交えて、基本単位であるために必要な要件を示してください。)
2. 電圧測定の際の負荷効果についての以下の設問に解答せよ。
(1) 端子ABを持つ図の電源回路を考える。テブナンの定理を用いて、端子間について等価な電源回路で表せ。
(2) 端子AB間の電圧を、内部抵抗RV=10kΩ の電圧計で測定する。電圧計の負荷効果による誤差を求めよ。
3.信号源と電圧計を信号線で接続して、信号源の端子電圧を測定する。
(1)信号源、信号線、電圧計の各々を等価回路で表し、その測定回路を図示せよ。
(2)測定回路に混入する外部雑音にはどのようなものがあるか。
(3)外部雑音の混入を防ぐためにどのような対策が取られているか。その原理を必要に応じて図を交えながら説明せよ。
4.オペアンプ回路に関する以下の設問に解答せよ。
(1) 図(a),(b),(c)の各々の回路の入力電圧Viと出力電圧Voの関係を示せ。
(2) 各々の回路はどんな目的で(どんな働きをさせるために)使用されるか。
5. 図はパルス幅変調型AD変換回路である。
(1) 積分回路の入力Aと出力Bでの波形を図示せよ。
(2) 測定電圧Exをデジタル量に変換する、AD変換の原理を説明せよ。
平成20年1月28日
1.導体棒の抵抗を測定するためのケルビンダブルブリッジについて以下の設問に解答せよ。
(1) 導体棒とブッリッジの接続図を示せ(ヒント:図の導体棒の四端子C1,C2,P1,P2とブリッジの結線図を完成せよ)。
(2) ブリッジの平衡条件式を示せ(ヒント:導体棒の電圧端子間の抵抗Rxと、ブリッジの抵抗P、Q、Rsの間の関係式)。
(3)ケルビンダブルブリッジを用いることにより、低抵抗を測定する際に問題になるあることの影響を取り除いた測定が可能になる。あることとは何か、またその原理仕組み(何故取り除くことができるか)を説明せよ。
2. 負荷で消費される電力量Wを測定するための電力量計について以下の設問に解答せよ。
(1) 電力量計、負荷、電源の三者の結線図を示せ。
(2) 負荷の有効電力Pと負荷電圧V、負荷電流I、力率cos の関係を示せ。さらに、有効電力Pと電力量Wの関係を示せ。
(3) アルミニウム円板の回転力が電力Pに、回転数が電力量Wに比例する。これらの原理仕組みを説明せよ。
3. 図はコイルのインダクタンスをその損失分(並列等価回路で表したときのインダクタンスをLxp、コンダクタンスをgxpとする)を含めて測定するためのLCRメータである。ここで、電源の角周波数はω=103 [rad/s]、標準コンデンサはCs=10-5[F]、標準コンダクタンスはgs=10-3[S] (gs-1=103[Ω])である。可変増幅器の増幅率が α=5.0, β=2.0のときに平衡がとれた。このとき、以下の設問に解答せよ。
(1)Lxp,gxpの値はいくらか。
(2)コイルのQ(ヒント:Q=1/( Lxpgxp))の値はいくらか。
(3)右図のようにコイルを直列抵抗rxsと直列インダクタンスLxsの直列等価回路で表したときの、rxs、Lxsの値はいくらか。
4. 遮断周波数fc=100[MHz]のブラウン管オシロス コープについて以下の設問に解答せよ。
(1)周波数f=200[MHz]、電圧E=1[V]の正弦波信号を入力する時、オシロスコープに表示される正弦波信号の電圧は何Vか。
(2) 周波数f=200[MHz]、立ち上がり時間trs=2[ns]の方形波信号を入力する。この時、オシロスコープに表示される方形波信号の立ち上がり時間は何秒か。また、表示される方形波の波形の概略を図示せよ。
(3)上記(2)において、方形波信号が歪んだ波形で表示される理由を説明せよ(正弦波信号の場合は振幅や位相が変わるだけで波形は変わらない。これに対して、方形波信号の場合は波形が変形する理由)。
5. デジタルオシロスコープを含めた波形記録装置に使われるA/D変換器について以下の設問に解答せよ。
(1) 並列比較型(フラッシュ型)A/D変換器の原理を説明せよ(回路図を交えて説明せよ)。
(2) 同様に、逐次比較型A/D変換器の原理を説明せよ。
(3) 上記の二つの方式について、変換速度と回路規模(ビット数に対して必要なコンパレータの数など)の項目について優劣を比較せよ。また、各々はどのような性能が要求される用途に使われるか。