[1] 電線の被覆部の絶縁抵抗の測定法について以下の質問に回答せよ。
1. 電線の絶縁抵抗(芯線と被覆間の抵抗)を測定するための 回路構成図を示せ。(ヒント:次の部品を使って構成すること。 直流高圧電源、電圧計、電流計、水槽、保護線、塩水、電極板、電線、接続線)
2. 絶縁抵抗のような高抵抗を測定する際に、要求される注意点を中心に、測定法の原理を説明せよ。
[2] 誘導型電力量計について以下の質問に回答せよ。
1. 電力量計の構造図を示せ。(ヒント:電流コイル、電圧コイル、接続線、永久磁石、アルミ円板、回転軸、回転数カウンタ、の構成部品を用いること。その際、電流コイルと電圧コイルの構造と、円板との位置関係は、原理に直結する部分であるので、正確に示すこと。)
2. (i)電源(電柱からの引込線)、(ii)電力量計(電流コイル端子、電圧コイル端子)、(iii)負荷(建物内への配電線)の三者の接続図を示せ。
3. 電力量計のアルミ円板の回転トルクは(a)□、(b)□ 、(c)□ 、の三者の積に比例する。(a),(b),(c)に当てはまる語句を入れた上で、アルミ円板が回転する原理、さらに電力量が測定できる原理を説明せよ。
[3] 図のLCRメータについて以下の設問に回答せよ。
1. 入力電圧Viと出力電圧Voの関係を示せ。
2. Zxが(i)純抵抗Rxの時、(ii)損失零のインダクタンスLxの時、(iii) 損失零のキャパシタンスCxの時, Rx、Lx, Cxの各々の算出式を示せ。
3. (i) Zx= Rx+jXxの時、Rx、Xxの算出式を示せ。
(ii)Zx=|Zx|e∠Zxの時、|Zx|、∠Zxの算出式を示せ。
[4] 遮断周波数fcのブラウン管オシロスコープを用いて波形観測する。
1. オシロスコープ入力段の周波数特性を、等価的なRC回路で置き換えて計算する。そのRC等価回路を図示せよ。また、回路定数R、Cと遮断周波数fcの関係を示せ。
2. 電圧V, 周波数fの正弦波を観測する。このとき、電圧振幅|V|を3%以下の精度で測定するには、fcはfのおよそ何倍以上あればよいか。
3.立ち上がり時間が零、階段電圧V0のステップ電圧を観測する。観測される波形の概略を図示せよ。また、ステップ波の立ち上がり時間tr(階段電圧V0の10%から90%に達する時間)とfcの関係を示せ。
[5] デジタルオシロスコープについて以下の質問に回答せよ。
1. デジタルオシロスコープの原理、仕組みを図を交えて説明せよ。また、アナログオシロスコープと比較して原理的にどんな点が大きく異なっているか。
2. アナログオシロスコープと比較した場合の、機能および性能(測定精度)に関する長所、短所を述べよ(機能と性能の各々に分けて回答すること)。
平成20年11月20日
1.偶然誤差についての以下の設問に回答せよ。
(1)偶然誤差を含む測定データは、一般にどんな確率分布に従うか。
(2)測定データの平均値や標準偏差を求めるための計算式を示せ。
(3) データ処理の際に平均値や標準偏差の各々はどのように用いられるか(どのような意味を持つか)。
2. 電気量の単位の決定方法として、電流てんびん法を用いた絶対測定に基づく方法と、ジョセフソン電圧標準ならびに量子化抵抗標準素子を用いる方法がある。各々の方法による、電気量の単位の決定経路を説明せよ。また、各々の方法の得失を論ぜよ。
3.内部抵抗Rs 、電圧Vs=1Vの信号源に、内部抵抗RN=1 kΩ、電圧VN=1Vの雑音源が並列に接続されている。Rs=100Ω, 1 kΩ, 10kΩ の場合の、測定端子における信号と雑音の各々の電圧の大きさは幾らか。また、雑音の影響が少ないのはRsがどのような場合か。
4. 外部雑音の混入を防ぐための以下の対策について、各々はどんな種類の雑音をどのような原理で防ぐことができるか説明せよ。
(1)シールド (2)信号線の工夫 (3)アース(グランド)
5. 図はパルス幅変調型(二重積分型)AD変換器の回路図である。OPアンプの入力端子に、測定電圧Exと切り替えパルス波(T1の間+Esの電圧、T2の間-Esの電圧に交互に切り替えたパルス波)の各々を加算入力する。
(1) OPアンプの入力A点、出力B点の各々の波形を示せ。
(2) AD変換の処理手順(図中の比較回路、制御回路、カウンタ回路を中心にした動作)を説明せよ。