[1] 高抵抗の三端子抵抗の測定方法について、以下の設問に回答せよ。
(1) 三端子抵抗Rxを流れる電流I、Rxの両端の電圧Vを測定するための、直流電源、電圧計、電流計の接続図を示せ。
(2) 電圧計の測定電圧Vは、HG,LG間の漏れ抵抗Rhg, Rlgの影響を受けることなく、Rxの両端の電圧に等しくなることを示せ。
(3)電流計の測定電流Iは、HG,LG間の漏れ抵抗の影響を受けることなく、
Rxを流れる電流に等しくなることを示せ。
(ヒント:(2),(3)では、電流計の内部抵抗RAとRhg, Rlg, Rxとの大小関係に注意すること)
(4) 三端子抵抗Rxの算出方法を示せ。
[2] 交流電源Eと負荷ZLの間に抵抗Rを接続し、交流電圧計を用いて図中の実効値電圧V1,V2,V3を測定する。以下の(1)〜(4)の電気量を、R,V1,V2,V3を用いて表せ。
(1) 負荷電流 I
(2) 負荷の力率 cosφ
(3) 負荷の消費電力P
(4) 負荷インピーダンスZLの抵抗分RL
[3] 図のRC回路について以下の設問に回答せよ。
(1) 周波数f、電圧Viの正弦波を入力した時の出力 電圧をVoとする。|Vo/ Vi|= 1/√2となる、遮断周波数
fcを求めよ。
(2)上記(1)において、|Vo/ Vi|の周波数特性を図示せよ
(横軸をlog10f、縦軸を20 log10|Vo/ Vi|[dB] で
表したグラフで示すこと、f<fc、f>fcの各々の領域における特性の変化を示すこと)。
(3)図のような方形波vi(t)を入力した時の出力電圧をvo(t)とする。voの立ち上がり時間tr(立ち下がり時間も同様)を示せ。
(4) 上記(3)において、vo(t)の波形の概略を図示せよ(trの値が方形波のパルス幅より小さい場合と大きい場合の各々の波形を示すこと)。
[4] オシロスコープの入力段の入力抵抗R0、浮遊容量C0’、ケーブルの浮遊容量を C0’’とする。
(1) 10:1プローブの抵抗R1、容量C1の値を幾らに選んだらよいか(R0、C0’、C0’’を用いて表せ)。
(2) 方形波を入力した場合、@ C1が適性値の場合、AC1が補正過多の場合、
BC1が補正不足の場合に観測される波形を図示せよ。
[5] AD変換器についての以下の設問に回答せよ。
(1) 並列比較型(フラッシュ型)AD変換器の回路図を図示せよ(N=3ビットの例について、比較器、基準電圧発生回路、コード変換器を使って示すこと)。さらに、その原理を説明せよ。
(2) 同様に、逐次比較型AD変換器の回路図(比較器、D/A変換器、コード発生器を使うこと)を図示し、原理を説明せよ。
(3) 変換速度と回路規模について、上記の二方式の優劣を比較せよ。
(変換速度はAD変換のビット数Nに対して、二方式の間で何倍違うか、回路規模は比較器の数が何倍必要か、など具体的な根拠を示して説明すること)。
平成21年11月30日
[1] 重さを量るための測定器でとして@バネ秤やA天秤がある。また、電圧を測るための測定器として、B指示計器型電圧計やC電位差計がある。@とB、AとCは各々同じ種類の測定法に分類される。
(1) 各々の測定法は何という名前で呼ばれているか。また、各々の測定法の原理を説明せよ(構成図を示しながら説明すること)。
(2) 後者の測定法のほうが前者に比べて精度の高い測定が可能になると言われているが、その理由を説明せよ。
[2] 電気量に関係した物理量の標準の決定方法について、以下の設問に回答せよ(原理式や構成図を交えて説明すること)。
(1) 静電容量と抵抗の標準量を絶対測定する方法(力学系の基本単位をもとに測定する方法)を示せ。
(2) 実用的に使われている、量子化ホール抵抗を用いた抵抗標準の決定方法を示せ。
(3) 上記(1)と(2)の各々の抵抗標準の決定法の長所、短所を示せ。
[3] 雑音の発生や侵入を防ぐための以下の対策について説明せよ ((1)〜(5)の中から3つを選んで回答してください)。
(1)熱起電力に対する対策、 (2)信号源インピーダンスの変換、(3)シールド、
(4)信号線の工夫、(5)アース(グランド)
[4] 図はアナログ電圧Exをデジタル量に変換するための、パルス幅変調型AD変換回路である。最初のT1[s]の間、標準電圧
+Es[V]に、その後T2[s]の間、標準電圧?Es[V]にスイッチを切り替える。
(1) 積分回路のA点の入力電流
Ii(=I1+I2)、ならびにB点の出力電圧Voを、Ex、Es、T1、T2、R、Cを用いて表せ。
(2) T1=1 ms, Ex=1 V, Es=3 V,
RC=1 sのとき、入力電流Iiと出力電圧Voの各々の波形を図示せよ。
(3) AD変換の処理手順(図中のコンパレータ回路、制御回路、カウンタ回路を中心にした動作)を説明せよ((2)の条件の時のT2の値が幾らになるかを含めて回答すること)。
[5] 図の回路で電流を測定するとき、電流計の負荷効果を1%以下にするには、電流計の内部抵抗RAを何オーム以下にしなければならないか。