2011年1月25日
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女子高校生のキャラクターが小説の電子書籍を読み聞かせてくれるソフト「朗読少女」が人気を集めている。公開以来半年で約40万ダウンロード。電子書籍流通の新たな仕組みに注目した出版社数十社から「うちの本を読んでほしい」という要望があり、「順番待ち」の状態だ。
朗読少女は高校の朗読部に所属する「乙葉しおり」というキャラクターが、芥川龍之介の「羅生門」などを少したどたどしい口調で読んでくれる。朗読を聞くには、iPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)向けに用意された再生ソフトを、まずダウンロード(無料)する。ソフトにはサンプルとして「羅生門」の一部が入っているが、全編を読むには改めて「朗読少女」用の電子書籍を買う必要がある。
ソフトは昨年7月に公開され、ネットなどで評判が拡大。専用の電子書籍は主に著作権の切れている作品で、制作販売するオトバンクは「銀河鉄道の夜」など22作品を1作115円から350円で用意。すでに約5万部を売り、出版社から問い合わせが相次いでいる。ただ、声は実在の声優ささきのぞみさんが務めており、「量産」に限りがある。
新しい作品では、奥田英朗さんの人気小説「精神科医伊良部シリーズ」の第1作「イン・ザ・プール」もある。部数によって出版社側に一定額を支払う印税方式を採っており、紙の本を出版する文芸春秋社は「作品を複数のメディアで利用する時代、朗読は十分可能性のある試み。読書が負担になる高齢者にも作品に触れてもらえる」という。
今後もエンターブレインが主催する「えんため大賞」の受賞作を朗読する企画などが控える。「紙の本と違う電子書籍の特性を生かせた。朗読に向く小説の表現が生まれる可能性もある」とオトバンクの上田渉社長は話している。(高津祐典)
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