記事入力 : 2011/01/25 11:49:37
「日朝交渉の先行はあり得ない」(中)
田中均・元外務審議官インタビュー
―北朝鮮はなぜしきりに挑発を行うのか。
「南北の格差が広がり続けている。北朝鮮住民の間で発生する状況に対する恐怖があるのだろう。格差が広がった状況で、相手には失うものは大きくても、自分たちには失うものが少ない。だから、われわれのペースについてこいというメッセージを発したものだ。最近は中国と日米韓の関係が悪化し続けている。そのために、挑発を行っても中国は離れていかないという確信があるのだろう。中国に対する北朝鮮の依存が高まっていることも、韓国からの経済支援が中断した現在、選択肢がないからだ。そうした意味で北朝鮮の挑発は続く可能性がある」
―どんな出口が必要だと思うか。
「国際社会に穴が生じると、北朝鮮はそれをうまく利用してきた。穴をつくってはならない。中国と日米韓の間に生じた穴が昨年の挑発を呼んだ。また、もう一つ必要なのは、力に基づく交渉だ。もう一度挑発したらたたくということ、本当に深刻な状況になるということが確実に分かるようにすべきだ。そのために交渉が必要だ」
―交渉の手順は。
「6カ国協議を通じた大枠の解決策は既に示されている。2005年9月の共同宣言のようなものだ。しかし、すぐに6カ国協議に向かってはならない。6カ国協議の前に南北、米朝、日朝という三つの2国間対話を同時に進めるべきだ」
―なぜ、韓米日と北朝鮮なのか。
「中朝は特殊な関係にある。国際社会で中国の国力が巨大化した中、中国に対する北朝鮮の依存はさらに深まった。ロシアも中国ほどではないが、北朝鮮と意見の相違は多くない。このため、日米韓3カ国が強く連携し、三つの2国間会談を通じ、包括的な解決を模索しなければならない。6カ国協議はその次だ」
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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