「日朝交渉の先行はあり得ない」(上)

田中均・元外務審議官インタビュー

 2002年9月に行われた日本の小泉純一郎元首相による1回目の訪朝当時、外務省アジア大洋州局長として、北朝鮮との事前の秘密交渉を担当した田中均・元外務審議官(64、現日本総研国際戦略研究所理事長)。現在は日本で屈指の国際戦略専門家に数えられる。記者は20日、田中氏にインタビューし、北朝鮮をめぐる最近の対話局面や北朝鮮の核問題解決案について見解を聞いた。

前原誠司外相が年初から日朝の直接対話の必要性を強調している。何かあるのか。

 「ないと思う。日朝直接対話には前提がある。南北対話が先だ。また、米朝対話も同時に始まらなければならない。南北間の緊張が高まった状況で、米朝、日朝間では何も解決されない。現在のような対立状況で日朝が先に直接交渉を行うことは極めて非常識的だ」

それならば、前原外相の発言は何なのか。

 「北朝鮮がさまざまなルートで対話しようとアプローチしているのではないか。もちろんわたしは知らない。しかし、前原外相の発言も、6カ国協議とは別に対話を行うということであって、南北対話前に直接対話を行うわけではない。南北間の軍事対話が進展すれば、日朝の直接対話もあり得る」

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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