カギは川島外しザッケローニ鬼になれるか　ミスで失点続き…

　サッカーアジア杯で、２大会ぶり４度目の優勝を狙う日本は２５日午後４時２５分（日本時間同１０時２５分）から準決勝で韓国と激突する。ザッケローニ監督（５７）には伝統の一戦を前に、重要な決断が待っている。

　カタール戦勝利の夜、「眠れないほど興奮した」とコメントしたザッケローニ監督だが、冷静な分析を忘れていなかった。

　問題の場面は後半１８分の２失点目、ＧＫ川島（リルーセ）の対応だ。現地の記者の間でも「あのポジショニングではやられる」との声があがった矢先だった。

　本人は「壁の位置のポジショニングも間違っていない」とコメントしているが、日本で試合をテレビ観戦した代表ＯＢからも「あの川島の判断ミスは考えられない」との声も。

　川島は昨年のＷ杯直前、日韓戦での０−２の惨敗を受けて当時正ＧＫだった楢崎（名古屋）のスランプを理由に、チームへのカンフル剤として本大会直前に岡田武史前監督から大抜擢された。

　日本は１６強まで進出したが、予選リーグ２戦目のオランダ戦での失点は、海外の記者から「あの失点はＧＫ（川島）のファンブル。日本はＧＫのミスで負けた」と指摘されてもいた。

　川島は闘志を前面に押し出すタイプのＧＫで、１９９８年Ｗ杯フランス大会で初出場した際の日本代表ＧＫ川口（磐田）が、まさに同じタイプでもあった。この時は川口の闘志が選手に対する「ののしり」に聞こえ、川口と主力選手の“対立”が生まれた過去がある。協会関係者は「アジア杯での川島のプレーがあのころの川口とダブる」というのだ。

　公式戦期間中の正ＧＫの交代は大ばくち。不可解なジャッジがあったとはいえ、川島はシリア戦で退場処分も食らっている。

　日本は今大会、数的不利で２勝。このミラクルは２００４年にアジア杯中国大会で奇跡の優勝を遂げたジーコジャパンの時と「よく似てきた」とＭＦ遠藤はいうが、ミスはミス。韓国とは過去の対戦で１１勝２１分け（ＰＫ勝ち２、ＰＫ負け１を含む）３８敗と大きく負け越しているだけに、修正なくして勝てる相手ではない。

　０７年の前回大会では、３位決定戦でＰＫ戦の末に敗れている。注目の日韓激突で最大の注目はザッケローニ監督が鬼になり「川島外し」を決断できるかどうかにかかっている。（夕刊フジ編集委員・久保武司）

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