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2010.12.29

日韓、明日に架ける橋 

 

 2010年の終わりにふさわしい贈り物をもらった。旭区平和委員会作成の『日韓併合100年 韓国平和ツアー 感想と記録』というパンフレットである。さっそく読ませてもらった。旅は10月末。参加者たちは、ある人から聞かされた「加害に向き合う重たく辛い旅になる」ことを気にしながら、侵略と戦争のむごい記録を残した各地を訪ね、それぞれの想いを書き記している。案内役の人が「日本のことを悪くいうつもりはないが、歴史の真実を知って欲しい」と話したことが印象的だったというところに私も共感した。

 

 『ナヌムの家』を訪問したときの光景。「"従軍慰安婦"の話を、日本人の若い男性が迫力こめて語るのが胸にしみました。修学旅行で来ていた女子高生は涙を拭って聞いていました」。辛い話なのだが爽やかな感動を覚えた。日本の若者も素直で優しいのだ。「ソウルの平和博物館には梨花大学の学生やボランティアをしている若い人たちが多く出入りしている」「日本の青年が日韓の平和の架け橋として頑張っている姿は心強い思いでした」。明るい未来を感じさせてくれる嬉しい感想文だった。

 

 平和博物館建立推進委員会の活動家の話が紹介されている。「博物館をつくる運動は、ベトナム戦争での韓国軍による民間人虐殺に対する謝罪運動から出発した。『ごめんなさい、ベトナム』と名づけられたこの運動は、歴史上初めての加害の歴史に直面せざるをえない韓国社会に大きな衝撃を与えた。『慰安婦』被害者が協力して建立推進委員会が設立された。戦争を記憶し、傷を受けた人々との"苦痛の連帯 "をめざしている」という趣旨である。日本にはまだ侵略を反省しないものがいる。恥ずかしいことだ。

 

 大阪市議会はこの10月、国に対して謝罪と賠償を求める「日本軍『慰安婦』問題の早期解決に関する意見書」(共産党提案)を可決した。ツアーの一員、渡司考一大阪市議がこの旨をナヌムの家で報告したら大きな励ましになったという。当の本人も「生涯忘れられない出来事になった」とのこと。小規模の短期旅行であり、全体像が見えたわけではなかろうが、私はこのパンフレットで明日の日本、韓国を見たような気がした。参加者のみなさんご苦労様でした。

 

 

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