長崎県佐世保市の指定暴力団九州誠道会永石組事務所の周辺住民が、事務所ビルの使用禁止を求めた訴訟の弁論準備手続きが24日、長崎地裁佐世保支部であった。住民側弁護士によると、菊地浩明裁判長は、住民側が土地建物を1800万円で買い取る和解案を提示。住民側弁護士は会見で「現実的金額。前向きに協議したい」と話した。
住民側は永石秀三組長とビル所有者を相手取り2009年12月に提訴。住民側が10年4月、事務所の土地建物を買い取る和解案を提示し、協議に入った。焦点は売却金額で、住民側が同組関係者が競売で落札した金額と同額の1468万円を、被告側が4736万円を主張していた。菊地裁判長の和解案は、住民側が募金などで集めた約1700万円を一つの目安に早期解決を重視したとみられるという。
住民側弁護士によると被告側は「今すぐ回答はできない」と話した。双方は次回期日の3月7日に回答を求められる。
=2011/01/25付 西日本新聞朝刊=